「財務コンサルは何をしてくれるのかがよく分からない」
この疑問は、中小企業経営者・個人事業主の方から非常によく聞かれます。
財務コンサルタント(財務コンサルティング)とは、会社のお金を数字で可視化し、将来の経営判断を支援する専門家です。
記帳や申告を行う税理士とは異なり、資金繰り・融資・投資判断など「未来のお金」を主に扱います。
本記事では、長崎県大村市を拠点に中小企業支援を行ってきた実務経験をもとに、
財務コンサルが「具体的に何をしてくれるのか」「どんな会社が依頼すべきか」を分かりやすく解説します。
財務コンサルとは何をしてくれる存在なのか?
財務コンサルは何をする?「未来のお金」を設計する専門家
財務コンサルの最大の役割は、会社が資金不足に陥らない状態を事前に作ることです。
- 今の資金繰りは本当に安全か
- 半年後・1年後に資金は足りるか
- 借入は増やすべきか、返すべきか
- 人件費や設備投資に耐えられるか
これらを経営者の感覚ではなく、数字で判断できる状態にするのが財務コンサルです。
財務コンサルが実際にやってくれる主な業務内容
① 資金繰りの可視化・改善
「黒字なのにお金がない」という状況は珍しくありません。原因は資金の出入りを把握できていないことです。
- 資金繰り表の作成(3か月〜3年)
- キャッシュフロー分析
- 資金ショートリスクの予測
- 回収・支払条件の見直し
具体例:
年商3億円の製造業で、6か月後に約2,000万円の資金不足が予測されました。
そこで、金融機関と調整して運転資金2,500万円を確保。設備投資の時期も再設計し、資金ショートを回避しています。

※詳しい考え方は 資金繰り表の作り方 で解説しています。
② 融資・銀行対応の支援
財務コンサルは銀行がどこを見ているかを理解し、「通すための資料と説明」を整えます。
- 事業計画書の作成・改善
- 銀行評価を意識した数字整理
- 借入金の条件変更・借換え
- 金融機関ごとの役割分担設計
▶ 関連:融資支援の実績はこちら
③ 経営判断を数字でサポート
以下のような判断をシミュレーションで可視化し、意思決定の精度を上げます。
- 社員を1人増やして大丈夫か(固定費増に耐えられるか)
- 設備投資に踏み切れるか(投資回収と資金繰りの両面)
- 値上げすべきか(粗利率とキャッシュの改善)
税理士・経営コンサルとの違い
「税理士がいるから財務コンサルは不要?」と考える方もいますが、役割は別です。

| 項目 | 税理士 | 財務コンサル | 経営コンサル |
|---|---|---|---|
| 主な対象 | 過去の数字(記帳・申告) | 未来のお金(資金繰り・融資・投資判断) | 戦略・商品・組織など全体 |
| 資金繰り | △ | ◎ | △ |
| 融資対応 | △ | ◎ | △ |
財務コンサルの料金相場
- 月額顧問:5万円〜30万円
- スポット支援:20万円〜100万円
- 融資支援:成功報酬型(調達額の2〜5%)
安さではなく、支援範囲(資金繰り/融資/月次面談/資料作成)と、実務経験で比較するのがおすすめです。
財務コンサルを選ぶ3つのチェックリスト
- 実務経験:資金繰り・融資の現場経験があるか
- 説明力:専門用語ではなく、経営者が判断できる説明か
- 相性:経営方針・銀行対応のスタイルが合うか
【実例】財務コンサル導入前後の変化
- 導入前:感覚で意思決定 → 資金繰り表なし → 「黒字なのに資金不足」になりやすい
- 導入後:3〜12か月先の資金を予測 → 借入・投資のタイミングを設計 → 計画的に資金確保

財務コンサルに関するよくある質問
Q. すでに顧問税理士がいますが、財務コンサルも依頼できますか?
はい、可能です。税理士は主に過去の数字(記帳・申告)、財務コンサルは未来のお金(資金繰り・融資)を担当するため役割が異なります。むしろ両方が連携することで、より強固な財務体制を構築できます。
Q. どのくらいの会社規模から依頼すべきですか?
目安は年商5,000万円前後です。このラインを超えると資金繰りが複雑になり、専門支援の効果が出やすくなります。
Q. 財務コンサルの効果はいつ頃実感できますか?
資金繰り表の整備は初月から、融資支援は2〜3か月、経営判断の精度向上は半年程度で実感されるケースが多いです(状況により前後します)。
次のステップ(無料相談・チェックリスト配布)
「うちも一度見てもらった方がいいかも」と感じた方は、まずは無料相談で状況を整理してみてください。
長崎県(大村・諫早・長崎市周辺)を中心に、中小企業の資金繰り・融資のご相談に対応しています。




