中小企業の社長に伝えたいこと

なぜ、財務コンサル・CFO業務が必要なのか
——中小企業の社長に本当のことを伝えたい

✍ 稲田 光浩(税理士・社外CFO)
📅 2025年4月
🕐 読了目安 15〜20分

「会社をもっとよくしたい」——その思いを持たない経営者はいません。
しかし、思いだけでは会社は変わりません。

売上を伸ばすことも大切ですが、それ以上に大切なのは「お金の流れ」を正しく理解し、コントロールすることです。財務コンサルティングやCFO業務は、社長が「お金の悩み」から解放され、本業に集中できる環境をつくるためのものです。この記事では、私が中小企業の社長に本当に伝えたいことを、包み隠さずお伝えします。

1.「税理士はいるのに、なぜ会社は変わらないのか」

多くの中小企業の社長が、毎年同じ悩みを抱えています。「なかなか利益が出ない」「銀行からの融資がうまくいかない」「いつも資金繰りに追われている」——そして顧問税理士はいる。毎月記帳や試算表を届けてもらっている。それなのに、なぜ会社は変わらないのでしょうか。

「記録する税理士」と「経営に関与する税理士」は、まったく別の存在です。記録は過去を映す鏡であって、未来を変える道具ではありません。

財務コンサルティングの本質は、「過去の数字を正確に記録すること」ではなく、「過去の数字から未来の戦略を導き出すこと」にあります。この違いが、会社が変わるかどうかを決定的に分けます。

私が関与している企業の社長から、よく言われることがあります。「以前の税理士は決算書を渡してくれるだけで、何も教えてくれなかった。稲田先生と付き合うようになって、初めて自分の会社の数字が理解できた」と。これは私への言葉でもありますが、同時に、業界への問題提起だとも受け止めています。

税理士に何を求めるべきか

📋 従来型の税理士
正確な記帳・税務申告が中心。数字を「記録」するが、経営への活かし方は教えてくれない。

💡 財務コンサル型の税理士
税務を土台に、経営戦略・資金調達・銀行交渉まで一体的にサポート。数字を「武器」にする。

2. あなたは今、この悩みを抱えていませんか?

多くの中小企業経営者が、同じ壁にぶつかっています。それはあなただけの問題ではありません。しかし、放置すれば取り返しのつかないことになる。まず、現状の課題を正直に確認してみてください。

❶ 資金繰りに追われ、本業に集中できない

月末になると銀行残高が気になって夜も眠れない。入金・出金の管理に追われ、本来考えるべき経営戦略や顧客対応に時間を使えていない。「お金の不安」が経営者の思考を支配し続けている。

❷ 銀行との交渉がうまくいかない

融資を申し込んでも断られる、または希望より低い金額しか借りられない。銀行員が何を見ているのかわからない。毎回手探り状態で交渉に臨んでいる。

❸ 数字はわかるが、「意味」がわからない

試算表や決算書をもらっても、今の会社の状況がよいのか悪いのか、どんな手を打てばいいのか——数字が「情報」ではなく「ただの記録」になっている。

❹ 経営者保証の呪縛から抜け出せない

会社の借入に個人保証をつけている。もし会社がうまくいかなければ、自分の全財産が吹き飛ぶかもしれない。その恐怖が常にある。

❺ 事業承継・出口戦略が見えていない

後継者問題、M&A、廃業——選択肢はあるが、何から手をつければいいかわからない。時間だけが過ぎていき、選択肢が狭まっていく焦りを感じている。

❻ 本当の意味での相談相手がいない

顧問税理士はいるが、決算と税金の話しかしてくれない。社長は本当の意味で孤独だ、と感じている。

CHECK POINT
ひとつでも当てはまるなら、財務体質の改善を優先課題に据える時期です。これらの悩みは、正しい財務の知識と行動によって、必ず解決できます。

3.「お金の不安」がある限り、経営者は本領発揮できない

経営者の頭の中を想像してみてください。顧客への提案、社員のマネジメント、業界動向のキャッチアップ、新規事業の検討——やるべきことは山ほどあります。しかし多くの経営者の頭の中には、常に「資金繰りは大丈夫か」「来月の支払いができるか」という不安が居座っています。

この不安は、経営者の判断を歪めます。本来は長期的な視点で投資すべき場面でも、目先の資金が不安で動けない。優秀な人材を採用するチャンスがあっても、固定費増加が怖くて踏み切れない。すべてが「お金の不安」から生まれる歪みです。

財務の安定は、経営者に「本来の仕事」をさせる環境をつくります。お金の心配から解放されたとき、経営者は初めて本当の意味で経営に集中できます。

財務体質が改善するにつれて、経営者の顔が変わる瞬間を何度も目撃してきました。「最近、余裕ができてきた」「以前より前向きに考えられるようになった」——そういう変化が、必ず会社にも波及します。余裕のある経営者のもとには、良い人材が集まります。良い意思決定が増えます。財務の安定は、会社全体の好循環を生み出す起点なのです。

4. 財務の「7つのマインド」——強靭な会社をつくる思考法

私は、中小企業の社長にぜひ身につけていただきたい「財務の7つのマインド」があると考えています。この7つを経営に取り入れることで、場当たり的な資金繰りから脱却し、筋肉質で強靭な財務体質をつくることができます。

マインド①「利益」より「キャッシュ」で考える

「利益が出ているのになぜお金がない?」——これは多くの経営者が直面する問題です。答えはシンプルで、利益とキャッシュは別物だからです。黒字倒産という言葉があるように、損益計算書(P/L)が黒字であっても、キャッシュフローが回っていなければ会社は潰れます。

重要なのは「手元にお金が残るかどうか」を常に意識した経営判断をすることです。新しい設備を買うとき、人を増やすとき——すべての意思決定をキャッシュの視点で検証する習慣をつけることが、財務体質を強くする第一歩です。

💡 実践ポイント
毎月の試算表を見るときに、損益だけでなく「銀行残高の増減」と「売掛金・買掛金の推移」を必ずセットで確認しましょう。また、資金繰り表(向こう3〜6ヶ月)を毎月更新することで、資金ショートのリスクを事前に察知できます。

マインド② 銀行は「困ったとき」ではなく「普段から」付き合う

「銀行にお世話になるのは融資が必要なときだけ」——この考え方が、経営者と銀行の関係を最悪にします。銀行員は日頃から付き合いのある経営者を助けたいと思っています。逆に、困ったときだけ顔を出す経営者には、条件がよくても慎重になります。

銀行との関係は「信頼の預金口座」です。良いときも悪いときも正直に状況を報告し、経営計画を共有し、返済を一度も滞らせない——この積み重ねが、いざというときの「借りやすさ」につながります。

💡 実践ポイント
年に最低2回、融資の必要がないときでも銀行担当者に経営状況を報告する機会を設けましょう。そのときに持参するのが「経営計画書」と「直近の試算表」。数字の説明ができる経営者は、銀行から「信頼できる経営者」と評価されます。

マインド③ 借りられるときに借りる——借入戦略の逆転発想

「できるだけ借金をしたくない」という経営者の気持ちはよくわかります。しかし財務的に正しいのは、「借りられるときに借りておく」という発想です。業績が良いときにこそ、有利な条件で融資を受ける交渉ができます。平時に資金を積み上げておくことで、不測の事態への耐性と、チャンスへの即応力が生まれます。

💡 実践ポイント
月商の3〜6ヶ月分の手元資金を目標に設定しましょう。また、複数の金融機関と取引関係を持つことも重要です。2〜3行との関係を維持することで、交渉力と安全網の両方を確保できます。

マインド④「売上」ではなく「利益の構造」を見る

売上を増やすことに躍起になっている経営者は多いですが、売上と利益は必ずしも比例しません。見るべきは「粗利率」「営業利益率」「自己資本比率」という3つの指標です。この3つが業界平均を上回っている会社は、財務的に健全です。

売上1億円で粗利が20%の会社と、売上5千万円で粗利が50%の会社——どちらが強いかは自明です。量より質の財務体質を目指してください。

💡 実践ポイント
毎月の試算表では、前月比・前年同月比で粗利率の変化を確認しましょう。粗利率が下がっているときは、①売価が下がっている、②原価が上がっている、③商品ミックスが変わっている——の3パターンを疑います。粗利率は「経営の体温」です。

マインド⑤ 自己資本を積み上げ、借入依存から脱却する

強い会社の共通点は「自己資本比率の高さ」です。自己資本を高めるためには、毎年きちんと利益を出し、内部留保(会社にお金を積み上げること)を意識した経営が必要です。「利益が出たらすぐ使う」という発想では、永遠に財務体質は改善しません。

💡 実践ポイント
中小企業の自己資本比率の理想値は30〜40%以上です(業種によって異なります)。また、役員報酬の水準が利益を圧迫していないかも要注意。節税目的で役員報酬を高く設定しすぎると、自己資本が増えず財務体質の改善につながりません。

マインド⑥ 経営者保証に頼らない経営体制をつくる

改訂された「経営者保証に関するガイドライン」により、一定の条件を満たせば、経営者個人の保証なしで融資を受けることが可能になっています。経営者保証から外れるための条件は、①法人と個人の分離が明確であること、②財務基盤が安定していること、③情報開示ができていること——この3つです。

💡 実践ポイント
まず、現在どの借入に経営者保証がついているかを一覧にしてください。次に、保証を外すための条件を銀行に確認します。目標を持って取り組むことで、3〜5年のスパンで実現している企業は数多くあります。

マインド⑦「出口」から逆算して、今の経営を設計する

「出口戦略」と聞くと廃業・売却の話のように聞こえるかもしれません。しかし私が言いたいのは、「この会社を最終的にどうしたいか」というビジョンを持つことが、日々の経営判断の質を高めるということです。後継者に引き継ぐのか、M&Aで売却するのか——それぞれで今やるべきことが変わります。

💡 実践ポイント
まず、5年後・10年後の自分と会社の姿を具体的に描いてみてください。「高く売りたい」なら、今から財務の透明性を高め、利益体質の改善に取り組む必要があります。出口の方向性が定まれば、今日やるべきことが驚くほど明確になります。

5. 会社のステージに応じた財務戦略

会社の成長には段階があります。創業期、成長期、安定期、そして次の飛躍——それぞれのステージで求められる財務戦略はまったく異なります。

🔹 創業期——生き残ることを第一に、財務の基盤をつくる

キャッシュを切らさないことが最優先。固定費を抑え、変動費で対応できる体制をつくる。創業融資(日本政策金融公庫・信用保証協会付融資)の活用タイミングを逃さないことも重要です。創業直後は最も借りやすい時期です。

🔹 成長期——売上の増加に財務体質がついていけるかが勝負

「売上は増えているのにお金がない」という悲鳴が最も多く聞こえるのがこのステージ。運転資金融資・設備資金融資の使い方を間違えないことが重要。この時期から管理会計を入れることで、利益を生む事業が見えてきます。

🔹 安定期——「儲かっている」から「財務が強い」会社へ脱皮する

業績が安定しているこの時期こそ、守りの財務戦略が必要。内部留保を積み上げ、経営者保証から外れ、自己資本比率を高める。「今はうまくいっているから」という慢心が最大の落とし穴です。

🔹 承継・飛躍期——次の世代へ、あるいは次のステージへ

M&Aで売却する場合、企業価値は「EBITDA × 倍率」で計算されます。利益を高め、不要な資産を整理し、経営が属人的でない体制をつくることが、売却価格を高めることに直結します。「いつか売ろうかな」なら、少なくとも3年前から準備を。

6. 銀行との交渉——「信頼される経営者」になるために

銀行が融資先を選ぶ際に見ているのは、担保や保証だけではありません。「この経営者は信頼できるか」という定性的な評価が、融資の可否に大きく影響します。では、銀行員に「信頼できる経営者」と思われるためには何が必要か。

決算書を「説明できる」状態にする。
数字を渡すだけでなく、「なぜこの数字になったか」を語れる経営者は、銀行員から圧倒的な信頼を得ます。前年比の変動要因、今後の見通し、対策——この3点をセットで準備してください。

経営計画書を毎年更新して提出する。
計画を持っている会社と持っていない会社では、銀行の評価が根本から異なります。計画と実績のギャップも含めて報告することで、「管理できている経営者」という印象を与えます。

悪い情報ほど先に報告する。
業績が悪化しているときこそ、銀行に先手を打って報告する。「隠していた」と思われることが最も信頼を損ないます。悪い情報と一緒に改善策を示すことで、評価は逆に上がります。

複数行と取引し、比較できる状態をつくる。
1行独占依存は最大のリスクです。複数行と付き合うことで、金利交渉力が生まれ、いざという時の選択肢が広がります。

財務の「語彙」を揃える。
DSCR(債務償還能力比率)、営業キャッシュフロー、有利子負債倍率——銀行が使う言葉で話せる経営者は、それだけで格が違って見えます。

稲田事務所のサポート内容
銀行との交渉に私が同席することで、経営者が一人で臨む場合と比べて、融資条件が改善するケースが多くあります。「数字を説明できるプロが横にいる」という事実が、銀行担当者に安心感を与えるからです。

7. 経営計画は、社長の「想い」を「現実」に変える設計図

「経営計画なんて、大企業がやるものでしょ?」——そう思われるかもしれません。しかし、中小企業こそ経営計画が必要です。なぜなら、リソースが限られているからこそ、「何に集中するか」の判断が経営の成否を分けるからです。

経営計画を毎年つくることで得られるもの

🎯 判断の軸ができる
「これをやるべきか」に計画があれば迷わない。目標から逆算して、今日やることが見えてくる。

🏦 銀行の信頼が上がる
計画を提出している会社は「管理が行き届いている」と評価。融資審査において大きな差を生む。

👥 社員がベクトルを揃えられる
会社の方向性を共有することで、組織の推進力が生まれる。

📊 問題の早期発見ができる
計画と実績の差異分析で異変に早く気づける。2ヶ月で気づくか半期末に気づくかでは打てる手が違う。

経営計画は単なる数字の目標ではありません。計画があるからこそ、想定外のことが起きたときにも冷静に対処できる。計画があるからこそ、銀行からの信頼を得られる。経営計画は、社長の「想い」を「形」にするものです。

8. 社長は孤独だ。でも、一人で抱えなくていい。

中小企業の社長は、孤独です。社員には全部話せない。同業者には弱みを見せられない。税理士は税金の話しかしない。金融機関は融資の話しかしない——結果として、経営者は最も重要な意思決定を、一人で行っています。

この孤独が、判断ミスを生みます。誰かに相談できていれば、「それは違いますよ」と言ってもらえたかもしれない決断が、一人で押し切られる。外部の視点があれば気づいたはずの盲点が、見過ごされる。

「相談できる相手がいる」ということは、経営者にとって最大の競争優位のひとつです。一人で考える100時間より、信頼できる相手との1時間の対話の方が、価値ある答えを生むことが多いのです。

私が「社長の隣に立つ」と言うとき、それは単なるキャッチフレーズではありません。財務に限らず、経営全般のことを気軽に相談できる存在であることが、私の仕事の本質だと思っています。

私が大切にしている3つのこと

正直であること。
耳触りの良いことを言うのではなく、会社にとって本当に必要なことを伝える。それが長期的な信頼の基盤です。

伴走すること。
アドバイスして終わりではない。計画を一緒に作り、実行を一緒に見届け、問題が起きたら一緒に考える。

結果にこだわること。
きれいな資料より、実際の経営改善。理想論より、実行可能な一手。経営者の現場感覚を大切にした支援を行います。

9. まとめ——「会社をよくしたい」という思いに、全力でお応えします

この記事を最後まで読んでくださっているあなたは、きっと「会社を変えたい」という気持ちを持っている経営者だと思います。

私はこれまでの仕事を通じて、強く感じていることがあります。それは、「変わりたい」という経営者の意欲が、会社の変化の最大の原動力だということです。どんなに優秀なコンサルタントがついても、経営者自身が「変わる覚悟」を持っていなければ、何も変わりません。

逆に、「変わりたい」という強い思いを持つ経営者の隣に、適切なサポートがあれば、会社は必ず変わります。

「会社をよくしたい」——その一言が、すべての始まりです。その思いを持っているなら、あとは正しい方向に、一歩ずつ進むだけです。私は、その道を一緒に歩む存在でありたいと思っています。

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財務の状況、銀行との関係、経営の悩み——何でも構いません。
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