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保証協会・銀行面談の
準備ガイド
7日間の準備スケジュール / 創業時・2回目以降の持参書類 / 6カテゴリの問答 / 当日の振る舞い / 面談後の動き
面談で聞かれることは、突き詰めれば4つ。
資金使途・返済原資・業績変動の理由・既存借入の状況。
この4つを「数字がつながった物語」として語れるように、
面談の7日前から準備を始めるための実務手順書です。
税理士 稲田光浩(税理士業界19年・登録8年目/東京プロマーケット上場準備中企業の監査役・社会医療法人の監事)
はじめに|この資料の使い方
このガイドは、ブログ記事「信用保証協会の面談で聞かれること|創業時と『2回目以降』では、見られる場所が違う」の続編として作りました。記事では「何を見られているか」を書きました。このガイドでは、「では、何を、どの順番で準備するか」まで落とし込みます。
申し遅れました。税理士の稲田光浩です。税理士業界19年、税理士登録8年目。東京プロマーケット上場準備中の企業の監査役、社会医療法人の監事を務め、複数社の経営会議・取締役会に外部の立場で参加しています。お金を「借りる側」の隣にも、「使い道を審査する側」の席にも座っている人間として、審査側が何を確かめたいのかという目線で、この問答集を作りました。
① 面談日が決まったら、まず「7日間スケジュール」(このページ)で日程を逆算する
② 「持参書類チェックリスト」(P3)で自社の状況(創業時/2回目以降)に合う欄をチェックする
③ 「想定問答30」(P4〜P6)を読み、自社に当てはまる問いに自社の数字を当てはめて声に出して練習する
④ 前日に「当日の振る舞い」(P7)を読み直し、面談後は「面談後にやること」(P7)でメモを残す
先に正直に書きます。この問答集を暗記しても、面談は乗り切れません。審査側が確かめたいのは、答えの上手さではなく、「この社長は自社のお金の流れを把握しているか」です。型は借りてください。ただし、数字は必ず御社のものを入れてください。
なお、本資料の制度説明・料率は執筆時点(2026年8月)の公表情報に基づく一般的な説明で、協会・金融機関・時期・財務状況により取り扱いは異なります。試算はすべて「仮に」のモデル計算です。
面談前7日間の準備スケジュール
面談の連絡は、だいたい1〜2週間前に来ます。7日あれば、下の表の準備は十分に間に合います。逆に、前日に一気にやろうとすると、借入一覧表の数字が合わない・資料が揃わない、で終わります。
| 日程 | やること | このガイドの参照先 |
|---|---|---|
| 7日前 | 面談の目的を銀行担当者に確認する。増額か、借換か、業況確認か、経営者保証の相談か。目的で聞かれる中心が変わる。あわせて「先方から指定の持参書類」を聞く | P3 チェックリスト |
| 6日前 | 借入一覧表を作る。借入先・当初金額・残高・金利・月返済額・最終返済日・保証の有無を1枚に。他行分・リース・役員借入も全部載せる。返済予定表と残高を突き合わせる | P3 書類No.2/問答No.16〜20 |
| 5日前 | 資金使途を「品目と金額」に分解する。「運転資金」で止めない。何に、いくら、いつ要るのか。設備なら見積書、運転なら受注増の根拠(注文書・売上推移)を添える | 問答No.1〜5 |
| 4日前 | 返済原資を1行で言えるようにする。直近決算の「経常利益+減価償却費」と「年間返済総額(今回分を含む)」を並べ、上回っているかを確認する。上回らないなら、その理由と手当てを整理する | 問答No.6〜10 |
| 3日前 | 業績変動の説明を用意する。前期比で大きく動いた科目(売上・粗利率・人件費・役員貸付金等)について、原因と打った手をセットで。直近の試算表と資金繰り表を最新化する | 問答No.11〜15 |
| 2日前 | 想定問答30を声に出して通す。自社に当てはまる問いに、自社の数字を入れて答える。顧問税理士がいれば模擬面談を頼む。「答えられない問い」を洗い出して補強する | P4〜P6 |
| 前日 | 書類を揃え、コピーを2部ずつ取る。決算書は3期分、試算表は直近月まで。当日の振る舞いを読み直す。服装・時間・場所の確認。夜は早めに休む | P3/P7 |
| 当日 | 15分前に到着。書類は出す順に並べる。聞かれたことに、結論→数字→理由の順で答える。わからないことは「確認して本日中に回答します」と言う | P7 |
持参書類チェックリスト
面談で「なぜ必要か」を理解して持参した書類と、言われたから持ってきた書類は、審査側には見分けがつきます。前者は出す順番と説明が付いてくるからです。各書類に「なぜ必要か」を一言添えました。
A創業時(初めて保証を利用する)
創業時は、まだ実績のない会社の代わりに社長個人の信用と計画が審査されます。書類も「人」と「計画」の裏付けが中心です。
| No. | 持参 | 書類 | なぜ必要か(審査側の見方) |
|---|---|---|---|
| 1 | □ | 創業計画書(協会・金融機関の所定様式) | 「人・計画・資金使途・返済原資」が1枚で分かる審査の本体。数字の根拠を別紙で付ける |
| 2 | □ | 自己資金の通帳(貯めてきた履歴が分かるもの) | 見せ金でなく、計画的に貯めてきたかを通帳の履歴で見る。直前の大口入金は必ず聞かれる |
| 3 | □ | 経歴書・職務経歴(同業での経験年数) | 実績のない会社で、事業を回せる根拠は社長の経験だけ。年数と役割を具体的に |
| 4 | □ | 資金使途の裏付け(設備の見積書・店舗の賃貸借契約書等) | 「何にいくら」を第三者の書類で証明する。見積なしの設備資金は稟議が書けない |
| 5 | □ | 売上根拠の資料(受注の内定・取引予定先一覧・前職での顧客基盤等) | 計画の売上が「願望」か「根拠あり」かの分かれ目。契約書や発注の打診メールでも可 |
| 6 | □ | 月次の収支計画・資金繰り予定表(開業後12か月) | 返済原資が毎月出るかを月単位で見る。開業直後の赤字期間をどう乗り切るかも |
| 7 | □ | 許認可・資格の証明(業種による) | 許認可が要る業種で未取得なら、融資実行の条件になる。取得予定日も言えるように |
| 8 | □ | 個人の借入・返済状況(住宅ローン・カード等) | 社長個人の返済負担は返済原資に影響する。聞かれてから思い出すより、先に整理して出す |
| 9 | □ | 登記事項証明書・定款・印鑑証明(法人の場合) | 本人確認と事業目的の確認。事業目的に今回の事業が入っていないと指摘される |
B2回目以降(既に保証付き融資を借りている)
2回目以降は決算書と返済実績、既存借入とのバランスが見られます。面談の場が減るぶん、決算書が「無言の面談」になります。書類は「数字がつながっている」ことを示すものが中心です。
| No. | 持参 | 書類 | なぜ必要か(審査側の見方) |
|---|---|---|---|
| 1 | □ | 決算書3期分(勘定科目内訳書・法人税申告書一式を含む) | 自己資本・役員貸付金・粗利率の推移・減価償却前経常利益を、3期の流れで見る。内訳書は役員貸付金と借入明細の確認に使われる |
| 2 | □ | 借入一覧表(借入先・当初金額・残高・金利・月返済額・最終返済日・保証の有無。他行分も全部) | 既存借入の全体像を1枚で。保証協会は保証の利用状況を把握している。把握していない答え方は「資金管理ができていない」と読まれる |
| 3 | □ | 各借入の返済予定表 | 借入一覧表の裏付け。残高と返済額が一覧表と一致しているかを自分で先に確認する |
| 4 | □ | 直近の試算表(決算後の月次。できれば前月まで) | 決算から時間が経つほど、足元の数字の価値が上がる。悪化決算のあとの回復、好調の継続を示す唯一の材料 |
| 5 | □ | 資金繰り表(実績3か月+予定6か月以上) | 今回の借入を入れた後、毎月の資金が回るかを見る。返済原資を「月」の単位で証明する書類 |
| 6 | □ | 資金使途の裏付け(見積書・受注残一覧・売上推移・仕入支払サイトの説明等) | 運転資金なら「受注が増えて立て替えが増えた」を数字で。設備なら見積書。口頭の「運転資金」は答えになっていない |
| 7 | □ | 業績変動の説明メモ(前期比で動いた科目の原因と手当て。A4で1枚) | 面談で聞かれる前に差し出せると、「原因を特定できている社長」という評価になる。外部環境だけの説明は不可 |
| 8 | □ | 納税証明書(法人税・消費税・地方税。未納がないことを示すもの) | 税金の滞納は、面談で何を語っても打ち消せない重さがある。未納がないなら、先に証明して安心させる |
| 9 | □ | 経営計画書・事業計画書(増額や大型設備のとき) | 増額は「今の借入の続き」として審査される。既存借入と今回分を合わせて返せる計画かを見る |
| 10 | □ | 役員貸付金の解消計画(貸借対照表に役員貸付金がある場合) | 審査上のマイナス材料であり、経営者保証を外す制度の要件にも関わる。一括で無理でも複数年の計画があれば評価は変わる |
想定問答30|質問 → 答え方の型 → NG回答例
答え方の型は「結論 → 数字 → 理由」の順。数字の部分(◯の箇所)には、必ず御社の実数を入れて練習してください。NG回答例は、私が初回相談や経営会議の場で実際に聞いてきた答え方を、特定できない形に集約したものです。
1資金使途|何に、いくら、いつ使うのか
2返済原資|何で返すのか
3業況・決算内容|数字が動いた理由を語れるか
4借入状況・他行|全体像を把握しているか
5経営者・後継|会社は社長一人に依存していないか
6経営者保証・担保|制度を理解して選んでいるか
面談当日の振る舞い・やってはいけないこと
面談は試験ではなく、審査側が稟議を書くための材料集めです。相手が稟議を書きやすくすること、これが当日の唯一の目的です。
やること
| No. | 項目 | 具体的に |
|---|---|---|
| 1 | 15分前に到着する | 遅刻は「資金管理も同じだろう」と読まれる。早すぎても先方の準備を乱すので、15分前が目安 |
| 2 | 書類は出す順に並べておく | 借入一覧表→決算書→試算表→資金繰り表→資金使途の裏付け。聞かれた瞬間に差し出せる状態にする |
| 3 | 結論→数字→理由の順で答える | 「仕入資金です。◯千万円です。受注増で立て替えが月◯百万円増えたためです」。理由から話し始めると長くなる |
| 4 | 悪い数字は自分から先に言う | 減収・赤字・役員貸付金は、聞かれる前に「ここは説明が要ります」と切り出す。先に言えば「把握している社長」、後から指摘されれば「隠した社長」 |
| 5 | 分からないことは即答しない | 「確認して本日中に回答します」と言い、メモする。推測で答えて後から数字が食い違うほうが損 |
| 6 | 相手の質問の意図を確かめる | 「それは返済原資のご確認という理解でよろしいですか」。意図が分かれば、型に当てはめて答えられる |
| 7 | 面談の最後に次の段取りを聞く | 「追加で必要な資料はありますか」「結論はいつ頃いただけますか」。この一言で、待ちの姿勢から抜けられる |
やってはいけないこと
その2:役員貸付金や他行借入を、聞かれてから思い出す。決算書に載っているものは審査側が先に知っている。把握していない答え方は「資金管理ができていない」という評価に直結する。
その3:見栄を張って大きな計画を語る。「来期は売上倍増」に受注の裏付けがなければ、返済原資の話まで全部疑われる。根拠のある幅で語るほうが信用される。
その4:担当者に決定権があるかのように食い下がる。目の前の担当者は稟議を書く人であって、決める人ではない。相手を味方にして、書きやすい材料を渡す。
その5:税理士任せの顔をする。「数字は税理士が」「試算表は税理士に聞かないと」。同席してもらうのは構わないが、返済原資の1行だけは社長が自分の言葉で言う。
面談後にやること
面談は終わった瞬間から、次の面談(と来期の決算)の準備が始まります。記憶が新しいうちに、その日のうちに3つだけやってください。
| No. | やること | 具体的に |
|---|---|---|
| 1 | 面談メモを残す(当日中) | 聞かれた質問/自分の答え/答えに詰まった箇所/先方が気にしていた点/追加資料の依頼/結論の時期。下の記入欄に書く。次回の面談で同じ質問に詰まらないための財産になる |
| 2 | 宿題は翌日中に返す | 「確認して回答します」と言った事項と追加資料は、翌営業日までに銀行担当者へ送る。スピードそのものが「資金管理ができている」の証明になる |
| 3 | 銀行担当者と顧問税理士に共有する | 保証協会の面談内容を銀行担当者に伝え、先方が補足説明をしやすくする。顧問税理士には「指摘された科目」を共有し、来期の決算で整える項目(役員貸付金・償却・粗利率の説明)に落とし込む |
面談メモ記入欄
| 面談日・相手 | |
|---|---|
| 答えに詰まった質問 | |
| 先方が気にしていた点 | |
| 追加資料・宿題(期限) | |
| 来期の決算で整えること |
まとめ|決算書は、あなたの代わりに毎年面談を受けている
- 面談の核は4つ。資金使途・返済原資・業績変動の理由・既存借入の状況。答えは「品目と金額」「原因と手当て」のセットで
- 書類は「なぜ必要か」を理解して持参する。2回目以降は決算書3期分・借入一覧表・直近試算表・資金繰り表が四本柱
- 返済原資は1行で言えるようにする。「償却前経常利益◯千万円に対し、年間返済◯千万円」。この1行が面談の空気を決める
- 悪い数字は自分から先に言う。先に言えば「把握している社長」、指摘されれば「隠した社長」
- 2回目以降は、決算書が「無言の面談」になる。自己資本・役員貸付金・粗利率の整合・減価償却前経常利益。この4つを整えることが、保証料率の区分、経営者保証を外す要件、プロパー融資への道の、すべてに効く
面談の受け答えは一発勝負ですが、決算書は1年かけて準備できます。
今日できる小さな行動を一つだけ。直近の決算書を開いて、貸借対照表に「役員貸付金」があるか、経常利益+減価償却費が年間返済額を上回っているか。この2点を確かめてください。それが、次の「無言の面談」への最初の準備です。
来年もまた、保証料の請求額に少しだけ驚きながら、理由の分からないまま同じ区分で借り続けるのか。それとも、面談にも決算にも準備をして臨み、保証料も、個人保証も、借り方そのものも、自分の意思で選べる会社になるのか。分かれ目は、今期の決算をどう組むかから、もう始まっています。
直近の決算書と借入の返済予定表があれば、45分の無料相談で、決算書の4ポイントの現状、想定される質問の見立て、経営者保証を外せる可能性まで具体的にお話しします。強引な勧誘はしません。大阪市淀川区・オンライン全国対応。
お電話:06-7777-1762(平日9:00〜18:00)
LINE:https://line.me/R/ti/p/@325iobwg(「面談ガイドを読んだ」と一言添えてください)
保証料率の区分を意識した決算の設計、役員貸付金の解消、経営者保証を外す道筋、保証付きとプロパーのポートフォリオ設計、月次の資金繰り運用。お金まわりの意思決定を、税理士業務の枠を超えて一気通貫で伴走します。毎年の決算が自動的に「有利な無言の面談」になる財務構造が固まるところまで、社外CFOとして毎月の経営会議で並走します。
https://luxe-partners.inada-tax.com/
この資料を作った人
稲田光浩(いなだ みつひろ) 税理士/稲田光浩税理士事務所 代表
年商1〜10億の成長企業オーナー専門・認定経営革新等支援機関・freee認定アドバイザー
税理士業界19年・税理士登録8年目。監査役:東京プロマーケット上場準備中の企業1社/監事:社会医療法人1法人/経営会議・取締役会への参加経験:複数社
顧問先:成長期の中小企業・スタートアップ・医療歯科・飲食等
稲田光浩税理士事務所
〒532-0011 大阪市淀川区西中島4-2-21 ミツフ新御堂筋ビル605(新大阪駅 徒歩圏)
TEL:06-7777-1762|Web:https://inada-tax.com
本資料は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の融資審査の結果や保証の可否を保証するものではありません。制度・料率は執筆時点(2026年8月)の公表情報に基づきます。無断転載・再配布はご遠慮ください。© 稲田光浩税理士事務所
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