儲からない会社の特徴は努力不足ではない|数字に出る10のサインと構造の直し方

記事更新日:

売上は、先代の頃より伸びている。
社員も増えた。自分も休んでいない。
それなのに決算書を開くと、利益は薄く、通帳の残高は毎年同じ顔をしている。

それで「儲からない会社 特徴」と検索していないでしょうか。

検索して出てくるのは、「社長に戦略がない」「数字への意識が弱い」「社員に主体性がない」といった話ばかりだったはずです。
読み終えて、少し落ち込んだかもしれません。自分の姿勢の問題だと言われた気がして。

結論から書きます。儲からない会社の特徴は、社長の姿勢ではなく、決算書の数字に出ています。そして、その数字を作っているのは努力の量ではなく「儲け方の構造」です。

申し遅れました。大阪で税理士事務所を営む稲田光浩です。税理士業界19年、東京プロマーケット上場準備中の企業の監査役、社会医療法人の監事を務め、複数社の経営会議・取締役会に外部の立場で継続して参加しています。つまり、決算書を「作る側」だけでなく、その数字を見ながら「お金の使い道を決める部屋」に座っている人間です。

この記事では、儲からない会社の特徴を精神論ではなく、決算書のどの行に、どう出るかで10個に分解します。あわせて、「もっと頑張る」で直そうとすると逆に悪化する理由と、構造のどこが詰まっているかを自分で見立てる方法まで書きます。

読み終えたら、決算書を1冊、手元に置いて読み返してください。たぶん、見え方が変わります。

「うちは10のサインのうち、いくつ当てはまるのか」を先に知りたいなら

決算書2期分があれば、45分の無料相談で「どのサインが出ていて、利益をどこから漏らしているか」を一緒に確認します。強引な勧誘はしません。売るより先に、診断です。

Webで無料相談する →
電話:06-7777-1762
LINEで相談 →

大阪市淀川区・オンライン全国対応/強引な勧誘はありません

儲からない会社の特徴は、本当に「努力不足」なのか?

違います。儲からない会社の社長ほど、よく働いています。これは経験上、間違いない。

朝いちばんに出社し、現場に入り、夜は見積もりを作り、休日に銀行向けの資料をまとめる。
私が見てきた「利益が残らない会社」の社長の多くは、そういう人です。

では何が違うのか。
言葉を選ばずに書きます。頑張りの「量」ではなく、頑張りが「どこに流れ込んでいるか」が違うのです。

儲かる会社では、社長の労力が「粗利を増やす場所」に流れ込んでいます。
儲からない会社では、同じ労力が「売上を増やす場所」と「穴を塞ぐ場所」に流れ込んでいます。そして、売上が増えるたびに穴も大きくなる。

これを私は「構造」と呼んでいます。
何で儲けるか(商品)、誰に売るか(顧客)、どう売るか(販売)、どの土俵で戦うか(事業)、誰がやるか(組織)。この5つの掛け算が、努力を利益に変える装置です。装置に穴があれば、いくら頑張りを注いでも利益は漏れていきます。

ここで大事なのは、構造の穴は、決算書に必ず痕跡を残すということです。

「戦略がない」「数字意識が弱い」といった特徴は、読んでも自社に当てはまるかどうか判定できません。判定できないものは直せません。
一方、「粗利率が3期連続で下がっている」は、決算書を3冊並べれば5分で判定できます。判定できるものは、直せます。

だからこの記事は、儲からない会社の特徴を、決算書のどの行に出るかで書きます。

決算書に出る「儲からない会社」10のサインとは?

結論として、以下の10個です。複数社の経営会議と監査役の席で決算書を見続けてきた中で、「利益が残らない」と相談を受ける会社に繰り返し出ている数字の形を、私なりに整理したものです。

各サインに「決算書のどこを見るか」を付けました。手元に直近3期分の決算書(損益計算書・貸借対照表・販売費及び一般管理費の内訳・勘定科目内訳書)があれば、読みながら確認できます。

なぜ「3期分」なのか。
1期の決算書は、その年の天気しか映しません。原材料高、大口の受注、退職金の支払い。1年だけの数字は、どれも言い訳がつきます。
3期並べると、天気ではなく気候が見えます。儲からない会社の特徴は、気候のほうに出ます。

そしてもう1つ。10のサインは、損益計算書だけでは半分しか見えません。
サイン5・7・8・10は貸借対照表の話です。「利益は出ているのに現金がない」と悩む社長の多くは、損益計算書しか見ていません。貸借対照表を開く習慣が、見え方を変えます。

サイン1:粗利率が3期連続で下がっている

見る場所:損益計算書の「売上総利益 ÷ 売上高」を3期分

最初に見るのはここです。粗利率(売上総利益率。売上から仕入・外注・材料費などの原価を引いた「粗利」が売上に占める割合)が、毎年じわじわ下がっていないか。

1年で1ポイント下がると、社長は「今年は材料が高かったから」で済ませます。
3期続いて3ポイント下がると、それは環境ではなく構造です。

仮に年商8億円の会社で粗利率が3ポイント下がると、粗利は年2,400万円減ります。社員5〜6人分の人件費に相当する利益が、値決めと商品構成の緩みから静かに消えている計算です。

サイン2:売上が伸びているのに、営業利益が伸びていない

見る場所:損益計算書の「売上高」と「営業利益」の伸び率を比べる

売上が前年比10%増えたのに、営業利益が横ばいか減っている。
これは「売れば売るほど、利益にならない売り方」をしているサインです。

よくあるのは、値引きで取った案件、納期特急の案件、手間のかかる小口案件の増加。売上の欄には立派な数字が載りますが、粗利と販管費の間でほとんど消えます。

私の体感では、2代目社長の会社でいちばん多いのがこのサインです。先代から「売上を落とすな」と言われ続けてきた会社ほど、ここで止まっています。

サイン3:売上の構成が分散していて、主力がない

見る場所:商品別・部門別の売上明細(決算書になければ販売管理データ)。上位3商品で売上の何%か

「うちは何でもやります」が口癖の会社は、商品・サービスが10も20もあって、上位3つを足しても売上の半分に届かないことがあります。

分散そのものが悪いのではありません。問題は、分散した商品ごとに粗利率がバラバラで、どれが儲かっていてどれが赤字かを社長が言えないことです。

主力がない会社は、値決めの基準も、営業の優先順位も、在庫の持ち方も定まりません。全部が「ほどほど」になります。

サイン4:固定費が、売上と関係なく増え続けている

見る場所:販売費及び一般管理費の内訳。人件費・地代家賃・リース料・保険料・通信費・システム利用料を3期並べる

固定費とは、売上がゼロでも出ていくお金です。ここが毎年「前年比プラス」で固定されている会社は、売上が少し落ちた年に一気に赤字へ転びます。

チェックのコツは、費目ごとに「これは売上が落ちたら減らせるか?」と自問することです。
減らせないものが増え続けているなら、それは固定費の硬直化。儲からない会社に共通する、静かなサインです。

サイン5:在庫が増え、回転が遅くなっている

見る場所:貸借対照表の「棚卸資産(商品・製品・原材料・仕掛品)」÷ 月商(年商÷12)。何ヶ月分か

在庫は、損益計算書には出てきません。売れるまで費用にならないからです。
だから在庫が増えても「利益」は減らず、むしろ一時的に増えて見えることすらあります。

ところが現金は確実に減ります。
在庫が月商2ヶ月分から3ヶ月分に増えた会社は、月商1ヶ月分の現金を倉庫に置き換えたのと同じです。年商8億円なら、約6,700万円が棚の上で眠っている計算です。

「黒字なのに現金がない」という相談の背景に、このサインが隠れていることは本当に多い。

サイン6:値決めが他人任せになっている

見る場所:勘定科目内訳書の「売掛金」上位先と、得意先別の粗利率(販売管理データ)

決算書に「値決め」という行はありません。ですが痕跡は出ます。
売掛金の上位1〜2社で売上の半分以上を占め、その先の粗利率が全社平均より明らかに低い。これが「値決めを相手に握られている」形です。

大口だから断れない。断れないから値上げを言い出せない。言い出せないから原価上昇を自社で吸収する。
この連鎖が、サイン1の粗利率逓減を生みます。

儲かる会社は、値決めの主導権を自社で持っています。小さくても、「この商品はこの値段でしか売らない」と言える商品を1つ持っています。

サイン7:売掛金の回収が長くなっている

見る場所:貸借対照表の「売掛金+受取手形」÷ 月商。何ヶ月分か、3期で伸びていないか

売上は立っているのに入金が遅い。これも利益ではなく現金を削ります。
回収サイトが2ヶ月から3ヶ月に伸びれば、在庫と同じく月商1ヶ月分の現金が取引先の手元に移ります。

回収条件を相手の言い値で受け入れている会社は、値決めも相手の言い値になっていることが多い。サイン6とセットで出るサインです。

サイン8:役員貸付金・仮払金・立替金が膨らんでいる

見る場所:貸借対照表の流動資産「役員貸付金」「仮払金」「立替金」「未収入金」

本来、会社の利益は「現金」か「将来現金になる資産」に変わるはずです。
ところが儲からない会社の決算書では、利益の行き先が役員貸付金や中身不明の仮払金になっていることがあります。

これは儲け方の問題というより、「会社と社長の財布が混ざっている」サインです。
銀行はこの行を必ず見ます。ここが大きい会社は、利益が出ていても評価が上がりません。

サイン9:減価償却前の利益で、借入の年間返済額を賄えていない

見る場所:損益計算書の「経常利益+減価償却費」と、借入金の年間返済額(返済予定表)を比べる

儲からない会社は、たいてい借入で穴を埋めています。
そして借入の審査は「数字の審査」ではなく「返済ストーリーの審査」です。銀行が聞いているのは「この会社の利益で、この返済が続くのか」という物語の整合性です。

減価償却前の利益が年間返済額を下回っている状態が続くと、返すために借りる構図に入ります。ここまで来ると、利益の問題は資金繰りの問題に姿を変えます。

サイン10:現預金が月商1ヶ月分を割っている

見る場所:貸借対照表の「現金及び預金」÷ 月商

最後のサインは、上の9つの結果です。
粗利が薄く、固定費が硬く、在庫と売掛金に現金が移り、返済が重い。その合計が、月末の通帳残高に現れます。

現預金が月商1ヶ月分を切ると、社長の頭の中は毎月の支払いで埋まります。新しい商品を考える余白も、値上げを交渉する余裕も消えます。
現金の不足は、社長の脳の余白の不足です。そして脳の余白がないと、構造を直す判断ができません。これが、儲からない会社が儲からないまま固定される最後のピースです。

なぜ「もっと頑張る」で直そうとすると悪化するのか?

結論として、構造に穴がある状態で頑張りを増やすと、穴が広がるからです。

10のサインを見て、真面目な社長ほどこう考えます。
「売上をもっと増やせば、固定費を吸収できるはずだ」
「自分がもっと現場に入れば、外注を減らせる」
「社員にもっと頑張ってもらえば、利益が出る」

正直に書きます。この3つは、現場で何度も見てきた「悪化のパターン」です。

「売上を増やせば」は、粗利率を下げる

値決めの主導権がない(サイン6)まま売上を増やそうとすると、取れる案件は「安い案件」「手間のかかる案件」になります。
結果、売上は増え、粗利率は下がり(サイン1)、営業利益は増えない(サイン2)。さらに在庫と売掛金が膨らみ(サイン5・7)、現金が減る(サイン10)。

売上を増やす努力が、10のサインのうち5つを同時に悪化させる。これが「頑張るほど儲からない」の正体です。

「社長が現場に入れば」は、組織の構造を壊す

社長が現場に入ると、短期的には外注費や人件費が浮きます。
ですが、社長の時間は「構造を直す」ために使う唯一の資源です。現場に入った社長は、値決めを考える時間も、商品構成を見直す時間も失います。

私が経営会議に出ていて感じるのは、社長が現場から抜けられない会社ほど、会議の議題が「今月どう売るか」から動かないことです。構造の話が、一度も議題に上がらない。

「社員に頑張ってもらえば」は、固定費を増やす

社員に頑張りを求めると、残業が増え、定着率が下がり、採用費と教育費が増えます。
固定費の硬直化(サイン4)は、だいたいこの経路で進みます。

ここで考えてみてください。
社員の頑張りは、粗利を増やす場所に向いているでしょうか。それとも、穴を塞ぐ場所に向いているでしょうか。

私自身の失敗も書きます。独立前、会計事務所の職員だった頃の私は、顧問先の利益が薄いと「もっと売上を」「もっと経費削減を」と言っていました。決算書を作って、数字を報告して、頑張れと言う。それで救えなかった会社があります。決算書を作るだけでは足りない、構造の話をしなければ意味がないと気づいたことが、私の独立の原点です。

経営会議の席から見て、儲かる会社と儲からない会社の会議はどう違うのか?

結論として、違いは「議題の主語」と「数字が出てくる順番」にあります。

私は複数社の経営会議・取締役会に、外部の立場で継続して参加しています。監査役・監事として、お金の使い道を審査する側にも座っています。
守秘義務があるので個社の話は書けませんが、席から見えている「会議の形の違い」は一般化して書けます。この違いは、決算書の10のサインと驚くほど一致します。

儲からない会社の会議は、売上から始まる

「今月の売上は目標比何%か」「来月の受注見込みはどうか」。
議題の主語が売上で、議論の中身が営業の進捗報告です。粗利の話は、出ても最後。固定費と在庫の話は、決算のときにだけ出ます。

数字が出てくるのは、たいてい会議の「後」です。
社長の体感で議論が進み、経理が翌週に数字を出し、数字と体感がズレていても次の会議では別の話になっている。

儲かる会社の会議は、粗利と「どの商品・どの顧客で」から始まる

対照的に、利益が残る会社の会議は、最初の10分で粗利の数字が出ます。売上ではなく粗利。しかも全社合計ではなく、商品別・顧客別の粗利です。

「この商品群の粗利率が落ちている。原因は値決めか、原価か、構成か」という順番で議論が進みます。売上の話は、粗利の議論が終わってから出てきます。

そしてもう1つ。前回決めたことが、数字でどうなったかを必ず確認します。決めっぱなしにしない。私が外部の立場で呼ばれる価値の半分は、正直に言えば、この「決めたことの検証」を会議に持ち込む役回りにあります。

監査役の席から見える違い:お金の「使い道」の決め方

もう1つ、監査役・監事として「お金の使い道を審査する側」に座っていて見える違いがあります。
設備投資、採用、新規事業、システム導入。お金を使う提案が上がってきたときの、判断の仕方です。

利益が残る会社では、提案に「この投資で粗利がいくら増えるか」「回収に何年かかるか」「やめる場合の条件は何か」が最初から付いています。数字が足りなければ差し戻される。社長であっても、です。

利益が残らない会社では、提案の根拠が「忙しいから」「他社もやっているから」「現場が欲しいと言っているから」になりがちです。使い道が「穴を塞ぐため」に偏り、粗利を増やすための投資が後回しになる。
その積み重ねが、サイン4(固定費の硬直化)とサイン9(返済が利益を超える)になって決算書に現れます。

私が監査役の席で覚えた習慣は、提案を見たらまず「これは粗利を増やすのか、穴を塞ぐのか」と分類することです。儲からない会社の投資は、ほぼ後者に偏っています。

一番大きな違い:社長が「やめること」を決めているか

儲かる会社の会議では、「やめる」という結論が出ます。
儲からない商品をやめる。粗利の取れない顧客との取引条件を変える。社長がやっている現場仕事を手放す。

儲からない会社の会議では、「やめる」が出ません。
出るのは「もっとやる」だけです。新規開拓をもっと、営業をもっと、コスト削減をもっと。

これは、社長の能力の差ではありません。
会議のテーブルに、粗利と構造の数字が載っているかどうかの差です。数字が載っていなければ、「やめる」という判断は怖くてできない。数字があれば、できる。私の体感では、ここが儲かる会社と儲からない会社の分岐点です。

会議室で何度も聞く質問があります。
「先生、売上は去年より増えているんです。それなのに、なんで利益が減るんですか」
この質問が出た時点で、答えは決算書の中にあります。売上の行ではなく、粗利率と販管費の内訳と棚卸資産の行に。

10のサインは、5つの構造のどこが詰まっている印なのか?

結論として、10のサインは「結果」であり、原因は5つの構造のどこかにあります。サインを見つけたら、次に「どの構造が詰まっているか」を見立てます。ここまでできて、初めて打ち手が決まります。

私が経営会議やワークショップで使っている枠組みは、商品 × 顧客 × 販売 × 事業 × 組織の5つです。掛け算なので、1つに「×」があると他がいくら強くても利益は漏れます。

決算書のサイン 詰まっている構造 構造側で起きていること
1 粗利率の逓減 商品・顧客 値上げの主導権がない/主力商品が古い/安さで選ばれている
2 売上増・営業利益横ばい 事業・販売 儲からない取引をやめられない/人を増やさないと売上が伸びない
3 主力がない売上構成 商品・事業 勝ち筋への集中ができていない/何でも屋
4 固定費の硬直化 組織・事業 社長が現場から抜けられず人で解決している/仕組み化・機械化の投資がない
5 在庫回転の悪化 商品・販売 売れ筋と死に筋を分けていない/見込み売上で仕入れている
6 値決めが他人任せ 顧客・商品 大口1社依存/値上げに耐えない顧客層/代替不能な商品がない
7 売掛回収の長期化 顧客・組織 取引条件を交渉できる関係がない/回収を管理する担当・ルールがない
8 役員貸付金・仮払金 組織 ガラス張り経営ができていない/数字を社員と共有していない
9 返済が利益を超える 事業 利益を生まない投資・事業を抱えている/継続収入の柱がない
10 現預金が月商1ヶ月未満 5構造すべての結果 上の9つの合計。どれか1つの構造ではなく「最大の×」を特定する局面

表を見て気づいたはずです。同じサインでも、詰まっている構造は会社によって違うということに。

粗利率が下がっている2社があって、1社は「商品が古い」、もう1社は「顧客が大口1社に偏っている」。打ち手はまったく別です。前者は商品開発、後者は顧客構成の組み替え。
ここを見立てずに「粗利を上げろ」と号令をかけても、現場は動けません。

構造の見立ては、決算書だけではできません。社長自身が5つの構造を◎○△×で自己評価し、決算書のサインと突き合わせて初めて「最大の×」が見えます。
そのための自己診断シートを、無料で公開しています。35項目・15分です。

儲かる会社の5構造セルフ診断(無料・15分)→

1つだけ、正直に書いておきます。
セルフ診断には限界があります。自己診断は「社長が自覚している問題」しか映しません。決算書2期分と並べると、社長の自己評価と数字が食い違う箇所が必ず出てきます。そのズレこそが、外部の目を入れる価値です。

自己診断の結果と決算書を、並べて見てほしいなら

セルフ診断の結果(×の数)と決算書2期分をお持ちください。45分の無料相談で「どの構造の×が、決算書のどのサインになって、利益をいくら削っているか」を数字でお示しします。

Webで無料相談する →
電話:06-7777-1762
LINEで相談 →

構造を直した会社の決算書には、何が起きるのか?

結論として、決算書は「粗利率 → 固定費率 → 現預金」の順番で変わります。売上は、最後です。場合によっては一度減ります。

個社の数字は書けないので、私が経営会議の中で繰り返し見てきた変化を、一般化して書きます。

最初に動くのは、粗利率

構造を直す最初の一手は、たいてい「やめる」か「値決めを変える」です。
儲からない商品を絞る。粗利の取れない顧客と取引条件を交渉する。社長が握っていた値決めを基準化する。

すると最初の決算で、売上はほぼ横ばいか微減、粗利率は上がる、という形が出ます。
社長にとっては少し怖い決算です。売上が減ったように見えるからです。ですが、営業利益は増えている。ここで踏みとどまれるかどうかが、次の決算を決めます。

次に動くのは、固定費率と社長の時間

粗利が増えると、社長は「穴を塞ぐ仕事」から手を離せるようになります。
現場から抜けた社長の時間が、商品と顧客の設計に向かう。そこで初めて、固定費を「人で解決する」から「仕組みで解決する」に切り替える余裕が生まれます。

売上に対する固定費の割合が下がり始めるのは、私の体感では2期目以降です。1期目で固定費が下がる会社はほとんどありません。構造の変化は、損益計算書の下の方から、ゆっくり上がってきます。

最後に動くのは、現預金と売上

在庫と売掛金が適正化され、返済が利益の範囲に収まると、現預金が月商1ヶ月分を超え、2ヶ月分に向かいます。
ここで社長の脳の余白が戻ります。

そして余白が戻った社長は、初めて「数字で売上を伸ばす」ことができるようになります。
どの商品を、どの顧客に、いくらで、どの経路で。構造が整った上での売上増は、10のサインを悪化させません。粗利率を保ったまま、売上が伸びます。

順番を間違えないでください。
売上を増やしてから構造を直すのではなく、構造を直してから売上を増やす。これが、私が経営会議の席で見てきた、利益が残るようになった会社の共通した順番です。

※上記は複数社の観察を一般化した傾向であり、個別の会社で同じ変化を保証するものではありません。変化の速度は業種・借入状況・社長の意思決定の速さで大きく異なります。

❌ やってはいけないこと:10のサインを、全部いっぺんに直そうとする

粗利率も、固定費も、在庫も、売掛金も、全部に手をつける。真面目な社長ほどこれをやります。結果、現場は「また新しい指示が来た」と受け止め、どれも中途半端に終わり、社長だけが疲弊します。

打ち手は「最大の×を1つ減らす」、これだけです。10のサインのうち、最も金額が大きいもの、最も構造の根に近いものを1つ選ぶ。それが直り始めると、他のサインは連鎖して軽くなります。全部やろうとする社長より、1つに絞れる社長のほうが、決算書は早く変わります。これは経験上、間違いない。

今日できる最初の一歩は何か?

結論として、直近3期分の決算書を机に並べて、粗利率を3つ、紙に書き出すことです。これだけで、最初の一歩は終わりです。

「売上総利益 ÷ 売上高」を3期分。電卓で1分です。
3つの数字が右肩下がりなら、サイン1が出ています。そこから、サイン2(営業利益の伸び)、サイン5(棚卸資産÷月商)、サイン10(現預金÷月商)の順に見ていってください。この4つで、儲け方の構造に穴があるかどうかの大勢は見えます。

ここで、やってほしくないことが1つあります。
サインが見つかった瞬間に、営業部長を呼んで「売上を上げろ」と言わないでください。それは、この記事で書いた「悪化のパターン」の入り口です。

代わりに、10のサインを決算書の行指定付きでチェックできる自己診断ガイドを用意しました。
A4×8ページで、サインごとの処方箋と5つの構造との対応表を付けています。印刷して、決算書の横に置いて使ってください。儲からない構造の自己診断ガイドから入手できます(登録不要・無料・印刷可)。

そして、10のサインのうち3つ以上が当てはまり、どの構造から手をつけるべきか迷うなら、その迷いをそのまま持ってきてください。
「頑張っているのに利益が残らない」という状態を構造から作り直す考え方は、こちらのページにまとめています。構造の見立てから5年の設計図まで2日間で作る場として、儲け方の設計ワークショップも開いています。

儲からない会社の特徴について、よくある5つの質問

Q1. 10のサインのうち、1つでも当てはまったら危ないのですか?

1つなら、多くの会社に当てはまります。私の体感では、問題は「数」より「3期で悪化しているか」です。サイン1(粗利率)・サイン5(在庫)・サイン10(現預金)のいずれかが3期連続で悪化しているなら、構造の穴が固定化し始めている可能性が高く、早めに見立てをおすすめします。1期だけの数字で判断しないでください。

Q2. 粗利率は何%あれば「儲かる会社」と言えますか?

業種で大きく違うため、一律の基準は書けません。製造業と卸売業でも、卸売業の中でも扱う商材で倍以上差があります。大切なのは他社との比較より「自社の3期推移」と「商品別・顧客別のばらつき」です。全社平均が悪くなくても、主力商品の粗利率だけが落ちている会社は珍しくありません。業種別の統計値は中小企業庁が公表する調査(中小企業庁)で確認できますが、自社の位置づけは決算書と並べて見る必要があります。

Q3. 顧問税理士から「儲からない構造」の話をされたことがありません。普通ですか?

正直に書くと、珍しくありません。税理士の本来業務は申告と記帳であり、粗利の構成や値決め、在庫回転まで踏み込むかどうかは事務所の方針によります。ただ、決算書にはその材料がすべて載っています。今の顧問に「商品別・顧客別の粗利を出してほしい」と一度頼んでみてください。出てくれば、その税理士は構造の話ができる人です。

Q4. 売上を減らしてでも構造を直す、というのは銀行にどう見られますか?

売上減そのものより、「なぜ減ったのか」を社長の言葉で説明できるかが見られます。粗利率が上がり、営業利益が増え、在庫と売掛金が減っているなら、銀行にとってはむしろ返済の確実性が上がった決算です。逆に、売上が伸びて利益が減り、借入で穴を埋める決算のほうが、銀行の評価は下がります。説明の材料を決算前に整えておくことが重要です。

Q5. 大阪の事務所のようですが、他府県からでも相談できますか?

できます。当事務所は大阪市淀川区(新大阪)ですが、オンラインで全国対応しています。決算書2期分を事前に共有いただければ、初回の45分で「10のサインのどれが出ていて、5つの構造のどこが詰まっている可能性が高いか」の見立てまで具体的にお伝えします。

まとめ——儲からない会社の特徴は、決算書の中にある

儲からない会社の特徴を、もう一度だけ書きます。

  • 特徴は、社長の姿勢ではなく決算書の数字に出る。粗利率の逓減・固定費の硬直・在庫と売掛金の膨張・現預金の不足など10のサイン
  • 10のサインは結果であり、原因は「商品×顧客×販売×事業×組織」の5つの構造のどこかにある
  • 「もっと頑張る」で直そうとすると、売上増が粗利率を下げ、社長の現場入りが構造を直す時間を奪い、サインは悪化する
  • 儲かる会社の会議は粗利と構造から始まり、「やめる」が決まる。儲からない会社の会議は売上から始まり、「もっとやる」しか出ない
  • 直すときは、最大の×を1つ。決算書は粗利率→固定費率→現預金の順に変わり、売上は最後

売上は、先代より伸びている。社員も増えた。自分も休んでいない。
それでも利益が残らないなら、足りないのは頑張りではありません。頑張りを利益に変える構造です。

このまま、来年の決算もまた「売上は増えたのに」と通帳を眺める一年に戻るのか。
それとも、今日、決算書を3冊並べて粗利率を3つ書き出すところから、構造を見立て直す一年にするのか。

分かれ道は、そこにあります。

無料45分相談+決算書2期分の診断

決算書2期分をお持ちください。「10のサインのどれが出ているか」「5つの構造のどこが詰まっているか」「利益をいくら漏らしているか」を数字でお示しします。売るより先に、診断です。

Webで無料相談する →
電話:06-7777-1762
LINEで相談 →

大阪市淀川区・オンライン全国対応/強引な勧誘はありません

💡 診断で終わらせず、構造を直すところまで毎月並走してほしいなら

Luxe Partners|年商1〜10億の成長企業向け 財務伴走パートナー

商品別・顧客別の粗利の見える化、値決めの基準づくり、在庫と売掛金の運用設計、固定費の組み替え、そして「決めたことの検証」を毎月の経営会議に持ち込む。決算書の10のサインを1つずつ消していく作業を、税理士業務の枠を超えて社外CFOとして伴走するのが Luxe Partners です。会議のテーブルに粗利と構造の数字が載る状態を、御社の標準にします。

Luxe Partnersに相談する →

この記事を書いた人

稲田光浩(いなだ みつひろ)

税理士/稲田光浩税理士事務所 代表
年商1〜10億の成長企業オーナー専門・認定経営革新等支援機関・freee認定アドバイザー

  • 顧問先:成長期の中小企業・スタートアップ・医療歯科・飲食等
  • CFO顧問の伴走実績あり、新規CFO顧問の受付を再開しています
  • 監査役:東京プロマーケット 上場準備中の企業 1社
  • 監事:社会医療法人 1法人
  • 経営会議・取締役会への参加経験:複数社
  • プロジェクト型支援領域:経営ダッシュボード設計・構築/経営計画策定/資金調達伴走/経理業務フロー改善/AI活用設計

〒532-0011 大阪市淀川区西中島4-2-21 ミツフ新御堂筋ビル605

▶ 稲田が社長に伝えたいこと(仕事への想い)を読む

あわせて読みたい

この記事を書いた税理士に、無料で相談できます

節税・資金繰り・銀行交渉など、経営に直結する税務相談を
初回45分・完全無料で承っています。対面・Zoomどちらでも対応。

無料相談を申し込む →

📞 06-7777-1762 平日9:00-20:00(土日祝対応可)

稲田光浩税理士事務所
お問い合わせ・ご相談はこちら
  • 初回相談は45分無料です、お気軽にお問い合わせください。
  • ご相談はご来所のほか、Zoom等のオンラインでの相談も承っております。
お電話でのお問い合わせ・ご相談

「ホームページを見た」とお伝えください。

受付時間:平日9:00-20:00(土日祝対応可)
LINEやChatworkでのお問い合わせ
メールでのお問い合わせ・ご相談

    ご希望の連絡先
    メールにご返信お電話にご連絡どちらでもよい

    ※営業・セールス目的のご連絡はご遠慮ください。ご返信いたしかねます。

    ページトップへ戻る

    まずは相談してみる

    45分・オンライン無料

    問い合わせる → LINEで相談