信用保証協会の面談で聞かれること|創業時と『2回目以降』では、見られる場所が違う

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保証協会の保証付きで増額の申し込みをしたら、銀行の担当者から「保証協会がヒアリングをしたいそうです」と言われた。
それで「保証協会 面談 聞かれること」と検索していないでしょうか。

検索して、気づいたはずです。
出てくるのは、創業融資の話ばかりだということに。

創業の動機。自己資金の貯め方。創業計画書の書き方。
どれも、もう1本以上借りて、返済実績を積んできたあなたの状況とは噛み合いません。

結論から書きます。2回目以降の保証協会の審査では、対面の面談は減ります。その代わり、決算書が「無言の面談」になります。あなたが会議室で答える機会が減るぶん、決算書が毎年、あなたの代わりに質問に答え続けている——この構造を知っているかどうかで、保証料も、借りられる金額も、経営者保証の外し方も変わります。

申し遅れました。私は大阪で税理士事務所を営む稲田光浩です。税理士業界19年、東京プロマーケット上場準備中の企業の監査役、社会医療法人の監事を務め、複数社の経営会議・取締役会に外部の立場で参加しています。つまり、お金を「借りる側」の隣にも、「使い道を審査する側」の席にも、日常的に座っている人間です。

この記事は、創業者向けではありません。
既に保証協会付き融資を1本以上借りている、既存企業の社長に向けて書きます。面談で実際に聞かれること、保証協会が決算書のどこを見ているか、そして経営者保証を外す制度まで、現場の目線で正直に書きます。

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1. なぜ2回目以降は、面談の連絡が来ないのか?

結論から書きます。保証協会が社長本人とじっくり対面するのは、原則として初めて保証を利用するときが中心だからです。2回目以降は、決算書と返済実績で審査が回る。だから面談の連絡が来ないのは、冷遇でも特別扱いでもなく、通常の運用です。

面談でよく出る質問があります。

「2回目なのに、今さら面談なんてあるんですか。何かまずいことでもあるんでしょうか」

初回相談の場で、この種の質問を私は何度も受けてきました。答えはこうです。2回目以降にヒアリングや面談が入るのは、「いつもと違うこと」が起きたときです。

具体的には、次のような局面です。

  • 増額——既存の保証残高を大きく超える申し込みをしたとき
  • 業況の変動——売上や利益が大きく動いた、赤字に転落した、といった決算内容の変化があったとき
  • 借換・一本化——複数の保証付き融資をまとめ直すとき
  • 経営者保証を外す相談——保証条件そのものを変える交渉をするとき

逆に言えば、同じような金額を、同じような業績のまま借り続けている限り、保証協会があなたの声を直接聞く機会はほとんどありません。

ここに、多くの社長が気づいていない落とし穴があります。

面談がないということは、弁明の機会もない、ということです。

創業のときは、計画書の数字が多少粗くても、面談で熱意や経歴を語って補うことができました。2回目以降は、その場がない。決算書に写っているものが、そのまま評価になります。役員貸付金が膨らんでいても、粗利率が説明のつかない動きをしていても、誰もあなたに「これはどういう事情ですか」と聞いてくれない。黙って評価だけが決まっていく。

だから私は、既存企業の保証協会対応をこう捉えています。
面談対策の本番は、面談の日ではなく、決算を組む日です。

これは、複数社の経営会議に出て、融資の議題が上がるたびに痛感してきたことです。この記事では、その「無言の面談」で何が見られているかまで含めて、順に解きほぐしていきます。

2. 創業時と2回目以降では、審査のどこが違うのか?

結論はシンプルです。創業時は「人と計画」を見られ、2回目以降は「決算書と返済実績、そして既存借入とのバランス」を見られます。見られる場所が、まるごと移動するのです。

この移動を図にすると、次のようなイメージになります。

創業時の審査を思い出してください。
聞かれたのは、こんなことだったはずです。

なぜこの事業を始めるのか。自己資金はいくら貯めたのか。経験は何年あるのか。計画書の売上根拠は何か。
つまり、まだ実績のない会社の代わりに、社長個人の信用を審査していたわけです。

2回目以降は、材料が変わります。会社には決算書があり、返済の履歴があります。すると審査の視点はこう変わる。

  • 決算書——この会社は、貸したお金を返せる財務内容か
  • 返済実績——既存の保証付き融資を、遅れなく返してきたか
  • 既存借入とのバランス——今の借入総額と年商・利益の関係で、追加の保証に無理はないか

特に効いてくるのが返済実績です。経験上、間違いない、と言えるのですが、1本目を約定どおり返してきた履歴は、どんな挨拶よりも雄弁です。逆に、リスケ(返済条件の変更)の履歴や税金の滞納は、面談でどれだけ誠実に語っても打ち消せないほど重い。

もう一つ、既存企業ならではの論点があります。保証協会には、企業ごとに保証の上限や「このくらいまでなら」という内部的な目線があり、既に使っている保証の残高が次の審査の前提になるという点です。創業時は白紙から審査されましたが、2回目以降は「今ある借入の続き」として審査される。だから、既存借入の状況を整理しないまま増額を申し込むのは、前の試合の結果を知らずに次の試合に出るようなものです。

この違いを知らずに、創業時と同じ感覚で「熱意と計画書」だけを持って臨む社長を、私は現場で何度も見てきました。悪気はないのです。ただ、見られている場所が変わったことを、誰も教えてくれなかっただけで。

3. 面談・ヒアリングでは、実際に何を聞かれるのか?

では、増額や借換で実際にヒアリングが入ったとき、何を聞かれるのか。結論から書くと、質問は多岐にわたるように見えて、核は4つです。

聞かれることは、この4つに集約される

  • ① 資金使途——借りたお金を、何に、いくら使うのか
  • ② 返済原資——何で返すのか。利益か、回収サイトの改善か、他の借入の圧縮か
  • ③ 業績変動の理由——前期から売上・利益が動いた理由。特に悪化した場合、その原因と手当て
  • ④ 既存借入の状況——他行分も含めた借入の全体像。どこから、いくら、何のために借りているか

お気づきでしょうか。
この4つは、銀行の融資面談で聞かれることと、ほぼ同じです。

当然です。保証協会は、あなたが返せなくなったときに銀行へ立て替え払いをする立場。つまり実質的なリスクの引き受け手ですから、確認したいことは貸し手と同じになる。銀行融資が”数字の審査”ではなく”返済ストーリーの審査”だという話を私はよく書きますが、保証協会の審査も同じです。数字そのものより、「数字がつながった物語」になっているかを見られます。

答え方には、型がある

4つの質問への答え方は、それぞれ型があります。

資金使途は、「品目と金額」で答える。「運転資金です」では答えになっていません。「仕入の先行資金です。受注が増えて、支払いから回収までの立て替えが月あたり◯百万円増えたためです」——ここまで分解して、初めて審査側は稟議を書けます。

返済原資は、利益とキャッシュの言葉で答える。「売上を伸ばして返します」ではなく、「償却前の経常利益が年◯千万円出ており、年間の返済総額◯千万円をカバーできています」という構造で語る。利益と返済額の比較ができる社長は、それだけで審査側の安心感が違います。

業績変動は、原因と手当てをセットで答える。悪化した決算を取り繕う必要はありません。むしろ隠すほうが致命的です。「主要取引先の発注減で売上が落ちた。すでに新規2社と取引を始めており、来期は回復の見込み」——原因の特定と、打った手。この2点セットで語れれば、赤字決算でも保証がつくことは普通にあります。

既存借入は、一覧表で答える。借入先・残高・金利・返済額・保証の有無を1枚にまとめた借入一覧表を持参する。口頭で思い出しながら答える社長と、一覧表を差し出す社長。審査側がどちらを信頼するかは、言うまでもありません。

ここで一つ、正直に書きます。この「型」は、面談の1週間前に付け焼き刃で作れるものではありません。資金繰りと借入の全体像を、月次で把握できている会社だけが、自然に答えられる質問群です。だからこそ、日頃の管理体制そのものが面談対策になるのです。

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4. 保証協会は、決算書のどこを見ているのか?

ここが、この記事の中心です。面談の場が減った既存企業にとって、決算書こそが審査の主戦場だからです。結論を先に言うと、保証協会が決算書で見ているポイントは「自己資本」「代表者勘定」「粗利率の整合」「減価償却前の経常利益」の4つに集約できます。

その前に、前提を一つ共有させてください。

決算書は、CRDというスコアに変換されている

保証協会は、あなたの決算書を目視だけで評価しているのではありません。CRD(中小企業の財務データを全国規模で集めたデータベースで、銀行や保証協会が共通で使う信用スコアの仕組み)に確定決算のデータを通し、そのスコアで会社の信用力を評価しています。

そしてこのスコアは、そのまま保証料に直結します。責任共有制度のもとでの保証料率は、経営状況に応じた9つの区分に分かれており、料率は年0.45%から1.90%まで開きがあります(出典:東京信用保証協会「信用保証料率」)。

どのくらいの差か、モデルで計算してみます。あくまで一般的な試算で、実在の会社の話ではありません。

仮に3,000万円を5年・均等分割で借りるとすると、保証料は「借入金額×料率×期間に応じた係数」で計算されます。最上位区分の0.45%と最下位区分の1.90%とでは、同じ借入なのに保証料の総額が3倍以上、金額にして100万円前後の差になり得ます。

同じ3,000万円を借りるのに、決算書の中身だけで100万円単位の差がつく。
これが「無言の面談」の値段です。

では、その決算書のどこが評価を動かすのか。ブリッジとして、4つのポイントを図で整理してから、一つずつ見ていきます。

① 自己資本——債務超過かどうかは、最初の分かれ目

純資産がプラスか、マイナス(債務超過)か。ここは最初に見られます。債務超過だから即座に保証が出ない、というわけではありませんが、評価の出発点が大きく変わる。逆に、利益を内部留保に積み上げてきた会社は、それだけでスコアの土台が違います。

② 代表者勘定——役員貸付金は、審査側への「悪い手紙」

貸借対照表に「役員貸付金」が載っている会社。これは審査側から見ると、会社に貸したお金が、事業ではなく社長個人に流れるかもしれないという信号です。言葉を選ばずに書きます。役員貸付金を放置したまま増額を申し込むのは、悪い手紙を同封して審査を受けるようなものです。金額の大小にかかわらず、解消の計画を先に立てるべき項目です。

③ 粗利率の整合——「動いた理由」を数字が説明できているか

粗利率が前期から大きく動いているのに、売上構成や仕入環境に説明がつかない決算書。これは在庫の計上や原価の処理に無理があるのでは、という目で見られます。粗利率そのものの高低より、動きに整合性があるかが見られている——ここを誤解している社長は多いです。

④ 減価償却前の経常利益——返済原資の源泉

経常利益に減価償却費を足し戻した金額。これが年間の返済額を上回っているかどうかは、返済原資の最も基本的な確認です。償却を止めて黒字に見せた決算書は、審査側には一目で分かりますし、評価はむしろ下がります。

この4つを崩す行動を、決算の場面でやってしまっている会社は少なくありません。私の体感では、保証料率が高止まりしている会社の多くは、業績そのものより決算書の「組み方」で損をしています。決算書のどんな見せ方が銀行評価を下げるかは、銀行評価を下げる5つのNGで詳しく書きました。また、この9区分を前提に保証料そのものを下げていく設計は、信用保証協会の保証料を最小化する4つの設計にまとめています。

5. 経営者保証を外すと、保証料はどうなるのか?

既存企業の社長にとって、いま一番知っておくべき制度の話をします。結論はこうです。保証料率の上乗せと引き換えに、経営者保証(社長個人の連帯保証)を外すことを自分で選べる制度が、既にあります。

「事業者選択型経営者保証非提供制度」といいます。名前は硬いですが、中身はシンプルです。

  • 何ができるか——保証料率の上乗せ(年0.25%または0.45%)を条件に、経営者保証を提供しないことを事業者側から選択できる
  • 主な要件——①代表者等への貸付金等がないこと ②役員報酬・配当等が社会通念上相当な額を超えていないこと ③直前2期の減価償却前経常利益が連続して赤字でないこと、など

(出典:中小企業庁「事業者選択型経営者保証非提供制度」。経営者保証改革の全体像は中小企業庁「経営者保証」を参照)

ここで、前の章を思い出してください。

要件①は、代表者への貸付金——つまり役員貸付金の話です。
要件②は、役員報酬の妥当性。
要件③は、減価償却前の経常利益

経営者保証を外すための3要件は、保証協会が決算書で見ている場所と、そのまま重なっているのです。

これは偶然ではありません。「会社と社長の財布が分かれていて、会社単体で返済原資が出ている」——その状態を決算書で証明できるなら、社長個人の保証に頼る必要がない、という理屈です。つまり、日頃から決算書の4ポイントを整えてきた会社は、保証料率の区分でも有利になり、経営者保証を外す選択肢まで手に入る。一つの努力が、二重に報われる構造になっています。

逆に言えば、役員貸付金を放置している会社は、保証料で損をし続けたうえに、個人保証も外せない。二重に損をします。

上乗せ料率の0.25%と0.45%をどう捉えるかは、考え方次第です。仮に3,000万円の借入で0.25%の上乗せなら、年あたりの負担増はおよそ7.5万円。それで社長個人の自宅や資産が保全の対象から外れるなら、事業承継を控えた会社や、後継者に個人保証を引き継がせたくない2代目社長にとって、検討する価値は十分にあると私は考えています。実際、経営会議の場で事業承継の議題が出るたび、後継者側が一番気にするのは株価でも退職金でもなく、個人保証の引き継ぎです。この制度は、その不安への具体的な回答になり得ます。

なお、制度には細かい取り扱いや適用条件があり、申込は金融機関経由になります。要件を満たしているかの判定は決算書の読み方に関わるので、顧問税理士か、この分野に明るい専門家と一緒に確認することをおすすめします。

6. 保証協会に頼り続けることの、本当のコストは何か?

ここは、きれいごとを抜きにして書きます。保証協会は、日本の中小企業金融を支えるありがたい仕組みです。私も顧問先の資金調達で日常的にお世話になっています。それを前提としたうえで——保証付き融資に頼り続けることには、はっきりとしたコストがあります。

第一に、保証料そのものです。前章までで見たとおり、借入のたびに年0.45〜1.90%の保証料がかかる。これは金利とは別に、確実に出ていくお金です。表面金利1%台で借りているつもりでも、保証料を含めた実質のコストで見ると2%を超えている——という会社は珍しくありません。実質コストの考え方は、実質金利交渉の3つの論点で詳しく書いています。

第二に、こちらのほうが本質的なのですが、「保証がないと貸してもらえない会社」という位置づけが固定されることです。

銀行から見ると、保証付き融資はリスクの大半を保証協会が持ってくれる貸出です。
つまり、銀行自身は御社の信用をフルには引き受けていない。

一方、プロパー融資(保証協会を通さない、銀行が自分のリスクで行う融資)を受けている会社は、銀行が「自行のリスクで貸せる」と判断した会社です。この差は、金利条件だけでなく、いざというときの銀行の支え方にも表れます。自行のリスクで貸している先を、銀行は簡単には見捨てられないからです。

だから私は、既存企業の財務戦略をこう考えています。保証協会は「卒業を目指しながら使う」もの。全部を一気にプロパーへ、という話ではありません。保証付きとプロパーを併用しながら、決算書を整え、少しずつプロパーの比率を上げていく。その現実的な道筋は、プロパー融資への3ステップに書きました。

保証協会の枠は、いわばいざというときの傘です。晴れた日から傘を占領し続けるより、晴れの日はプロパーで歩き、雨の気配が見えたときに枠を使えるよう空けておく。そのほうが、資金調達の選択肢は確実に広がります。

❌ ここで多くの社長が失敗するパターン

その1:業績悪化の理由を「景気のせい」「物価高のせい」で終わらせる。外部環境の説明だけでは、審査側は「この社長は原因を特定できていない」と読みます。売上が落ちた理由を自社の言葉で特定し、打った手とセットで語れないと、ヒアリングは防戦一方になります。

その2:役員貸付金を放置したまま、増額を申し込む。決算書に載った役員貸付金は、面談で何を語っても打ち消せません。申し込みの前に解消計画を立てる。順番が逆になると、保証料の区分でも経営者保証の要件でも——二重に損をします。

その3:他行の借入を聞かれて、あいまいに答える。保証協会は保証の利用状況を把握しています。隠すつもりがなくても、把握していない答え方は「資金管理ができていない」という評価に直結します。借入一覧表を1枚作って持参する。それだけで印象は変わります。

7. 面談と決算の前に、何を準備しておくべきか?

最後に、実務です。結論として、準備は「面談の直前にやること」と「決算までにやっておくこと」の二段構えで考えてください。

面談・ヒアリングが決まったら(当日までの準備)

  • 借入一覧表を作る——借入先・当初金額・残高・金利・月返済額・保証の有無を1枚に。他行分も全部載せる
  • 資金使途を品目と金額に分解する——「運転資金」で止めず、何にいくら要るのかを書き出す
  • 返済原資を1行で言えるようにする——「償却前経常利益◯千万円に対し、年間返済◯千万円」の形
  • 業績変動の説明を用意する——前期比で動いた科目について、原因と手当てをセットで
  • 直近の試算表と資金繰り表を持参する——決算から時間が経っているほど、足元の数字の価値が上がります

現場感覚として言えば、この5点がそろっている社長のヒアリングは、確認作業で終わります。逆に、そろっていないと、一つひとつの質問が「試験」になってしまう。

自社の準備状況を客観的に確かめたい方は、当事務所サイトの銀行融資15項目セルフチェックを使ってみてください。無料で、その場で現在地が分かります。

決算までにやっておくこと(無言の面談への準備)

  • 役員貸付金の解消計画を立てる——一括で無理なら、複数年での計画的な返済でも評価は変わります
  • 減価償却は正しく計上する——償却を止めた黒字は、審査側には裸の数字より悪く見えます
  • 粗利率の動きに説明をつける——動いた年は、その理由を決算書の外(説明資料)でも用意しておく
  • 利益を内部留保に積む方針を、税金対策と両立させる——過度な節税で自己資本を痩せさせない

ここまで読んで、「決算書の組み方ひとつで、そこまで変わるのか」と感じた方もいるはずです。変わります。そしてその先には、守りだけでなく攻めの話——数字で売上を伸ばす、粗利と価格の設計の話が待っています。決算書を「税務署への提出物」から「経営の道具」に変えたい方には、私が設計・進行している儲け方ワークショップで、その考え方を体系的にお伝えしています。

そして、今日できる小さな行動を一つだけ。
直近の決算書を開いて、貸借対照表に「役員貸付金」があるか、経常利益+減価償却費が年間返済額を上回っているか。この2点だけ、今夜確かめてみてください。それが、次の「無言の面談」への最初の準備です。

8. よくあるご質問(FAQ)

Q1. 2回目の保証付き融資でも、面談はありますか?

原則として、対面の面談が中心になるのは初回利用時です。2回目以降は決算書と返済実績による審査が中心で、面談やヒアリングが入るのは、増額・業況の大きな変動・借換(一本化)・経営者保証を外す相談など「いつもと違うこと」がある局面です。連絡が来ないのは通常の運用であり、心配する必要はありません。ただし面談がないぶん、決算書がそのまま評価になる点には注意が必要です。

Q2. 業績が悪化した決算のあとの申し込みでは、何を聞かれますか?

中心は「なぜ悪化したのか」と「どう手当てしたのか」の2点です。外部環境のせいにするだけの説明は評価されません。悪化の原因を自社の言葉で特定し、既に打った手と今後の見込みをセットで説明できれば、赤字決算でも保証がつくケースは普通にあります。直近の試算表で足元の回復を示せると、さらに説得力が上がります。

Q3. 役員貸付金があると、保証は受けられませんか?

あるだけで即座に否決される、というものではありません。ただし審査上はマイナス材料であり、保証料率を決めるスコアにも、経営者保証を外す制度の要件(代表者等への貸付金等がないこと)にも影響します。金額と経緯を整理し、計画的な解消の道筋を先に立ててから申し込むことをおすすめします。解消の方法は会社ごとに最適解が異なるため、個別にご相談ください。

Q4. 経営者保証を外すと、審査が厳しくなったり金額が減ったりしませんか?

事業者選択型の制度は、保証料率の上乗せ(年0.25%または0.45%)と引き換えに経営者保証を提供しない選択をするもので、要件(代表者等への貸付金等がない・役員報酬等が相当額の範囲内・直前2期の減価償却前経常利益が連続赤字でない等)を満たすかどうかがまず確認されます。要件を満たす会社であれば、外すこと自体が審査で不利に働く建付けではありません。ただし個別の取り扱いは協会・金融機関により異なるため、申込前に確認が必要です。

Q5. 大阪の事務所のようですが、他府県からでも相談できますか?

できます。当事務所は大阪市淀川区ですが、オンラインで全国対応しています。保証協会の制度は全国共通の枠組み(料率区分や経営者保証の制度など)が多いため、地域を問わずお話しできます。直近の決算書と借入の返済予定表を事前に共有いただければ、初回の45分で「保証協会から見た御社の現在地」と面談・決算への準備の見立てまで具体的にお伝えします。

9. まとめ|決算書は、あなたの代わりに毎年面談を受けている

この記事の要点を整理します。

  • 構造——保証協会の対面面談は初回が中心。2回目以降は決算書と返済実績が審査の主戦場になる(=決算書が無言の面談になる)
  • 面談の核——聞かれるのは資金使途・返済原資・業績変動の理由・既存借入の状況の4つ。答えは品目と金額、原因と手当てのセットで
  • 決算書の4ポイント——自己資本・役員貸付金・粗利率の整合・減価償却前経常利益。保証料率は9区分・年0.45〜1.90%で、ここに直結する
  • 経営者保証——料率上乗せ(0.25%/0.45%)で保証を外せる選択肢がある。その3要件は、決算書の4ポイントとそのまま重なる
  • 出口——保証協会は「卒業を目指しながら使う」。プロパー併用で選択肢を広げる

面談の場が減るというのは、楽になることではありません。
語る機会が、数字に置き換わるということです。

それでも、悲観する話ではないと私は思っています。面談の受け答えは一発勝負ですが、決算書は1年かけて準備できる。しかも、そのために整える4つのポイントは、保証料を下げ、経営者保証を外し、プロパー融資への道を開く——すべて同じ方向を向いています。財務の土台が固まれば、資金繰りに割かれていた社長の脳の余白は、事業そのものに使えるようになります。

来年もまた、届いた保証料の請求額に少しだけ驚きながら、理由の分からないまま同じ区分で借り続けるのか。それとも、決算書という「無言の面談」に準備をして臨み、保証料も、個人保証も、借り方そのものも、自分の意思で選べる会社になるのか。分かれ目は、今期の決算をどう組むかから、もう始まっています。

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この記事を書いた人

稲田光浩(いなだ みつひろ)

税理士/稲田光浩税理士事務所 代表
年商1〜10億の成長企業オーナー専門・認定経営革新等支援機関・freee認定アドバイザー

  • 顧問先:成長期の中小企業・スタートアップ・医療歯科・飲食等
  • CFO顧問の伴走実績あり、新規CFO顧問の受付を再開しています
  • 監査役:東京プロマーケット 上場準備中の企業 1社
  • 監事:社会医療法人 1法人
  • 経営会議・取締役会への参加経験:複数社
  • プロジェクト型支援領域:経営ダッシュボード設計・構築/経営計画策定/資金調達伴走/経理業務フロー改善/AI活用設計

〒532-0011 大阪市淀川区西中島4-2-21 ミツフ新御堂筋ビル605

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