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歯科医院の法人化
判断ガイド
所得1,200万・1,800万・2,500万|2026年税制で全明細を公開
「所得1,800万円」は答えではなく、試算を始める合図です。
税率・社会保険料・退職金・赤字・承継・分院・交際費の7つの数字と、
差額のうち本当に院長の手元に残る金額を、この1冊で確かめてください。
大阪市淀川区|オンライン全国対応|https://inada-tax.com
この資料の使い方|「目安」ではなく「自分の数字」で決める
顧問税理士から「所得が1,800万円を超えたので法人化を」と言われたとき、院長が確かめるべきことは3つです。
| 1 | その差額は、いくらか。税負担の差から社会保険料の増加を引いた「可処分合計」で見る(P3〜P5)。 |
| 2 | その差額のうち、今年あなたの手元に入るのはいくらか。法人に残る分は、持分なし医療法人では報酬と退職金でしか取り出せない(P6)。 |
| 3 | 何のために法人化するのか。節税・分院・承継・銀行のどれかで、時期も報酬設計も決算月も変わる(P7〜P9)。 |
法人化で変わる7つの数字(早見表)
| 項目 | 個人事業 | 医療法人 | 判断のポイント |
|---|---|---|---|
| ① 税率 | 所得税5〜45%+住民税10%(累進) | 法人税15%/23.2%+地方税。実効25〜34%程度 | 法人に残した部分だけ低税率。取り出すときに再課税される |
| ② 社会保険 | 従業員5人未満は厚生年金任意。院長は国民年金(年約21.5万円) | 人数にかかわらず強制適用。院長は厚生年金(上限で年約143万円) | 院長分だけで年120万円超の負担増。未加入だった医院はスタッフ分も |
| ③ 退職金 | 院長への退職金なし。小規模企業共済(従業員5人以下) | 役員退職金を適正額で損金算入。共済は役員加入不可 | 法人に残した所得の「出口」。先に設計しないと貯まるだけ |
| ④ 赤字 | 青色で3年繰越 | 10年繰越 | 分院・大型投資の年の赤字を長く使える |
| ⑤ 承継 | 事業譲渡・親族承継(資産ごと移す) | 持分なし。相続税評価の問題がない一方、財産は院長家族に戻らない | 後継者が見えているかで有利不利が反転 |
| ⑥ 分院 | 個人は管理者1か所のみ | 分院開設が可能 | 分院予定なら法人化は前提条件。2〜3年前から逆算 |
| ⑦ 交際費 | 事業上必要なら上限なし | 年800万円まで(または飲食費50%) | 歯科で上限に当たることは稀。記録の規律が変わる |
比較シート|試算の前提(ここを読まずに数字だけ見ないでください)
以下の3パターンは、2026年8月時点の税率・控除額・保険料率に基づくモデル計算です。実在の医院の数字ではありません。前提が1つ変わるだけで結論が反転することがあります。
| 項目 | 前提 |
|---|---|
| 院長の家族 | 単身(配偶者控除・扶養控除なし)。他の所得なし |
| 「医院の利益」 | 青色申告特別控除前の医院の利益。個人は青色申告特別控除65万円を適用 |
| 自由診療の割合 | 収入の20%と仮定。個人事業税・法人事業税は社会保険診療分が非課税のため、自由診療分のみ課税 |
| 概算経費の特例 | 使わない(実額計算) |
| 年金保険料 | 個人=国民年金 月17,920円(令和8年度)=年215,040円。法人=厚生年金 標準報酬月額上限65万円×18.3%を法人・本人で折半(各年713,700円)+子ども・子育て拠出金0.36%(法人負担・年28,080円)。賞与なし |
| 健康保険 | 個人・法人とも歯科医師国保を継続する前提で、比較から除外 |
| 役員報酬 | 利益1,200万円→960万円/1,800万円→1,200万円/2,500万円→1,500万円。1,800万円以上は報酬を所得税率33%の帯に収める設計 |
| 所得税 | 2025年改正後の基礎控除(合計所得2,350万円以下58万円、2,350万円超は逓減)。復興特別所得税2.1%込み。給与所得控除は上限195万円(収入850万円超) |
| 住民税 | 所得割10%+均等割等5,000円。基礎控除43万円(合計所得2,400万円超は逓減) |
| 法人税等 | 法人税:所得800万円以下15%・超過分23.2%。地方法人税:法人税額×10.3%。法人住民税:法人税割(標準税率7.0%)+均等割7万円。法人事業税:医療法人(特別法人)の税率3.5%/4.9%で自由診療分のみ課税。特別法人事業税:事業税額×34.5% |
| 防衛特別法人税 | 2026年4月以後開始事業年度から導入。法人税額から年500万円を控除した残額に課されるため、この規模の医院では発生しない |
| 含めないもの | 設立費用・登記費用・税理士報酬の増加分・都道府県への届出に伴う事務コスト・スタッフ分の社会保険料の増加 |
比較シート①|個人事業のまま(3パターン・全明細)
単位:万円(小数1位まで)。計算過程をすべて示します。
| 項目 | 利益1,200万円 | 利益1,800万円 | 利益2,500万円 | 計算 |
|---|---|---|---|---|
| 医院の利益(青色控除前) | 1,200.0 | 1,800.0 | 2,500.0 | 前提 |
| 青色申告特別控除 | -65.0 | -65.0 | -65.0 | e-Tax/電子帳簿 |
| 合計所得金額 | 1,135.0 | 1,735.0 | 2,435.0 | |
| 社会保険料控除(国民年金) | -21.5 | -21.5 | -21.5 | 17,920円×12 |
| 基礎控除(所得税) | -58.0 | -58.0 | -32.0 | 2,435万は逓減帯 |
| 課税所得(所得税) | 1,055.5 | 1,655.5 | 2,381.5 | 千円未満切捨 |
| 所得税(復興税込) | 198.8 | 400.9 | 687.1 | 33%帯/33%帯/40%帯 |
| 住民税(所得割10%+均等割) | 107.5 | 167.5 | 238.9 | 基礎控除43万(2,435万は29万) |
| 個人事業税(自由診療分) | 0.0 | 3.5 | 10.5 | (利益×20%-290万)×5% |
| 税負担 合計 Ⓐ | 306.3 | 572.0 | 936.5 | |
| 国民年金 Ⓑ | 21.5 | 21.5 | 21.5 | |
| 院長の手取り(利益-Ⓐ-Ⓑ) | 872.2 | 1,206.5 | 1,542.0 |
所得税の速算表(2026年・参考)
| 課税所得 | 税率 | 控除額 | 住民税と合わせた限界税率 |
|---|---|---|---|
| 695万円超〜900万円以下 | 23% | 63.6万円 | 約33% |
| 900万円超〜1,800万円以下 | 33% | 153.6万円 | 約43% |
| 1,800万円超〜4,000万円以下 | 40% | 279.6万円 | 約50% |
| 4,000万円超 | 45% | 479.6万円 | 約55% |
※復興特別所得税(所得税額×2.1%)を別途加算。モデル計算では加算済み。
比較シート②|医療法人化した場合(3パターン・全明細)
| 項目 | 利益1,200万円 | 利益1,800万円 | 利益2,500万円 | 計算 |
|---|---|---|---|---|
| 理事長個人 | ||||
| 役員報酬(年) | 960.0 | 1,200.0 | 1,500.0 | 前提 |
| 給与所得控除 | -195.0 | -195.0 | -195.0 | 上限 |
| 社会保険料控除(厚生年金 本人分) | -71.4 | -71.4 | -71.4 | 65万×18.3%÷2×12 |
| 基礎控除(所得税) | -58.0 | -58.0 | -58.0 | |
| 課税所得(所得税) | 635.6 | 875.6 | 1,175.6 | |
| 所得税(復興税込) | 86.1 | 140.7 | 239.3 | 20%帯/23%帯/33%帯 |
| 住民税 | 65.6 | 89.6 | 119.6 | |
| 厚生年金 本人負担 | 71.4 | 71.4 | 71.4 | |
| 理事長の手取り Ⓒ | 736.9 | 898.4 | 1,069.8 | |
| 医療法人 | ||||
| 医院の利益 | 1,200.0 | 1,800.0 | 2,500.0 | |
| 役員報酬 | -960.0 | -1,200.0 | -1,500.0 | 損金 |
| 法定福利費(厚生年金 法人負担+拠出金) | -74.2 | -74.2 | -74.2 | 71.4+2.8 |
| 法人の所得 | 165.8 | 525.8 | 925.8 | |
| 法人税 | 24.9 | 78.9 | 149.2 | 800万以下15%・超23.2% |
| 地方法人税 | 2.6 | 8.1 | 15.4 | 法人税×10.3% |
| 法人住民税(法人税割+均等割) | 8.7 | 12.5 | 17.4 | 法人税×7%+7万 |
| 法人事業税(自由診療分) | 1.2 | 3.7 | 6.5 | 所得×20%に3.5%/4.9% |
| 特別法人事業税 | 0.4 | 1.3 | 2.2 | 事業税×34.5% |
| 法人税等 合計 Ⓓ | 37.7 | 104.5 | 190.7 | |
| 法人に残る利益(税引後)Ⓔ | 128.1 | 421.4 | 735.1 | |
| 合計と差額 | ||||
| 世帯+法人の税負担(所得税+住民税+Ⓓ) | 189.4 | 334.7 | 549.5 | |
| 年金保険料 合計(法人+本人) | 145.5 | 145.5 | 145.5 | 142.7+2.8 |
| 可処分合計(Ⓒ+Ⓔ) | 865.0 | 1,319.7 | 1,804.9 | |
| 税負担の差(個人Ⓐ-法人) | +116.9 | +237.3 | +387.0 | 法人が有利 |
| 年金保険料の差(法人-個人Ⓑ) | -124.0 | -124.0 | -124.0 | 法人が不利 |
| 可処分合計の差(法人-個人) | -7.2 | +113.2 | +262.9 | 端数差あり |
※端数処理により合計が一致しない箇所があります。
差額の正体|「+113万円」のうち、今年の手取りはいくらか
所得1,800万円のモデルで、法人化の可処分合計は113万円増えます。しかし、院長個人の手取りは1,206.5万円から898.4万円へ、308万円減ります。増えた113万円どころか、それ以上の金額が「法人の中」に移るからです。
| 個人のまま | 法人化後 | 差 | |
|---|---|---|---|
| 院長(理事長)の手取り | 1,206.5 | 898.4 | -308.1 |
| 法人に残る利益(税引後) | — | 421.4 | +421.4 |
| 合計 | 1,206.5 | 1,319.7 | +113.2 |
法人化の試算で見るべき2つの問い
| 1 | 今年の生活費は足りるか。理事長の手取り898万円で、住宅ローン・教育費・生活費がまかなえるか。足りずに法人の口座から引き出すと「理事長への貸付金」として決算書に載り、銀行評価を下げます。 |
| 2 | 法人に残る分を、何年後に、何で取り出すか。分院・設備投資に使うのか、退職金として受け取るのか。退職所得は「(収入-退職所得控除)÷2」に課税されるため、同額を報酬で受け取るより税負担が大きく軽くなります。出口を先に決めないと、使い道のないお金が法人に残ります。 |
役員報酬を変えると、差額はどう動くか(考え方)
- 報酬を上げる→ 手取りは増えるが、個人の所得税率が33%→40%帯に入り、法人化の税負担差は縮む。社会保険料は上限に達していれば変わらない
- 報酬を下げる→ 法人に残る額が増え、税負担差は広がる。ただし生活費が足りなくなるリスク。法人からの引き出しは貸付金になる
- 配偶者を理事にして報酬を分ける→ 実際に理事としての職務がある場合に限り、世帯全体の税率帯を下げられる。勤務実態のない報酬は否認リスク
最適な報酬額は、生活費の必要額・家族構成・借入・分院計画で医院ごとに違います。当事務所では、あなたの数字を入れた有利判定シートで報酬額を複数パターン置いて比較しています。
何のために法人化するのか|目的別・時期と設計の違い
法人化の目的は4つに分かれ、目的が違えば時期も役員報酬も決算月も変わります。「所得1,800万円」が判断基準になるのは、このうち①だけです。
| 目的 | 法人化の時期 | 設計のポイント | 向かない医院 |
|---|---|---|---|
| ① 節税 | 純粋な税負担差が大きくなる所得2,000万円前後から | 退職金で「いつ・いくら」取り出すかを法人化前に決める。出口がないと手取りが減って法人に貯まるだけ | 生活費が手取りの上限近くまで必要な院長 |
| ② 分院 | 分院を出したい時期の2〜3年前。所得は関係ない | 法人として2期分の決算を積んでから分院の融資に臨む。設立直後は個人時代の申告書で審査される | 分院の候補地・勤務医の当てがない段階 |
| ③ 承継 | 後継者が歯科医師で意思が固まったら早め | 持分なし法人は相続税評価の問題がなく、理事長交代で承継できる。後継者を勤務医として法人に入れ、報酬を受けながら引き継ぐ形も可能 | 後継者が未定・第三者譲渡を考えている医院(持分の売却ができないため選択肢が狭まる) |
| ④ 銀行 | 大型融資の申込から逆算して1期分の法人決算を先に作る | 個人の申告書は生活費と医院が混ざって見える。法人決算書は医院の数字だけが独立し、内部留保の積み上がりを銀行が評価する | 直近の申告が赤字・役員貸付金が出そうな医院 |
法人化してはいけない歯科医院
1. 税率の差だけ見て、社会保険料を計算に入れない。所得1,200万円のモデルでは、税負担は117万円減るのに年金保険料が124万円増えて差し引きマイナス。未加入だったスタッフ分が乗れば、1,800万円でも差額は消えます。
2. 役員報酬を低く設定しすぎて、生活費を法人から借りる。理事長への貸付金は決算書に載り、「公私混同」と見られます。分院の融資を受ける前に、自分で決算書に傷をつける形です。
3. 「最後は自分のもの」と思って法人に貯める。持分なし医療法人の財産は配当できず、解散しても戻りません。70歳時点の退職金の受け取り額まで、法人化前に一度は試算を。
4. 設立時期を決算月から逆算せず、中途半端な初年度を作る。認可の受付は年2回程度。初年度が3か月で終わる決算は、銀行に法人の実績が伝わりません。
こんな医院は、今は法人化しないほうがいい:所得1,500万円未満で分院も承継も予定がない/生活費の必要額が手取りの上限に近い/社員総会・理事会・都道府県への届出などの事務を引き受ける税理士・事務方がいない/承継の相手が見えていない。医療法人の解散には都道府県の認可が要り、残余財産は院長に戻りません。入口で慎重になる価値があります。
法人化スケジュール|法人診療の開始日から逆算する
医療法人の設立認可は都道府県の受付が年2回程度に限られ、準備から法人診療の開始まで1年前後を見込むのが安全です。「思い立ったらすぐ」は物理的にできません。
| 1 | 試算と目的の確定(12〜15か月前)。有利判定の結果が「法人が有利」でも、目的(節税・分院・承継・銀行)が言えなければ進めない。設立時に法人へ拠出する資産(医療機器・内装・預金)と、個人に残す資産(建物・土地など)を決める。ここで決めた資産構成は、その後の減価償却・賃料・借入の引き継ぎに直結する。 |
| 2 | 都道府県への事前相談と書類作成(10〜12か月前)。定款、設立趣意書、財産目録、設立後2年間の事業計画・予算書、役員・社員の名簿と履歴書、診療所の図面。自治体により様式・要求水準が異なるため、必ず事前相談を経る。 |
| 3 | 設立認可申請(6〜9か月前)。受付期間を逃すと次回まで半年待つ。医療審議会の諮問を経て認可。 |
| 4 | 登記と開設手続き(2〜4か月前)。認可書を受けて設立登記。法人としての診療所開設許可、保険医療機関の指定申請(地方厚生局)。指定日を個人の廃止日の翌日に合わせ、保険診療の空白をなくす。 |
| 5 | 開始後の手続き。個人の廃業届、開始日までの所得税の確定申告。法人の設立届・青色申告承認申請・給与支払事務所の届出。厚生年金・健康保険の適用手続き(歯科医師国保継続なら健康保険の適用除外承認)。借入・リース・賃貸借契約の名義変更または法人への引き継ぎ。 |
決算月の決め方(3つの視点)
- 設立認可の時期との整合:初年度が3か月で終わる決算を避け、初年度を10か月以上にできる決算月を選ぶ
- 繁忙期を外す:申告期限は決算の2か月後。その時期に院長が数字を見る時間を確保できるか
- 納税資金の時期:法人税は決算2か月後に納付、その半年後に中間納付。個人最後の所得税(3月)・予定納税(7月・11月)・住民税(6月以降)と、法人初年度はこれらが同じ12か月に重なる。資金繰り表に先に書いておく
法人化前 10項目チェック|すべてYESになってから動く
法人化の相談を受けたとき、当事務所が院長と一緒に確認している項目です。NOが3つ以上あれば、今年の法人化は見送ったほうがいい可能性があります。
| # | 確認項目 | YES | NO |
|---|---|---|---|
| 1 | 法人化の目的を一言で言えるか。節税/分院/承継/銀行のどれか。複数なら優先順位があるか | □ | □ |
| 2 | 自分の数字で個人と法人の有利判定をしたか。「所得1,800万円」の目安ではなく、自費率・家族構成・借入を入れた試算があるか | □ | □ |
| 3 | スタッフ全員分の社会保険料の増加額を計算したか。未加入だった医院は、法人負担分が年間でいくらになるか | □ | □ |
| 4 | 理事長の手取りで、今年の生活費・住宅ローン・教育費がまかなえるか。法人からの借入に頼らない報酬額か | □ | □ |
| 5 | 法人に残る利益を「何年後に・何で」取り出すか決めたか。退職金の目標額と時期、分院・設備投資の計画 | □ | □ |
| 6 | 持分なし医療法人の構造を理解しているか。配当不可、解散時の残余財産は戻らない、取り出す道は報酬と退職金のみ | □ | □ |
| 7 | 承継の相手が見えているか。後継者が歯科医師か、第三者譲渡の可能性があるか。未定なら法人化で選択肢が狭まらないか | □ | □ |
| 8 | 設立時に法人へ拠出する資産と、個人に残す資産を決めたか。建物・土地・医療機器・借入の引き継ぎ方 | □ | □ |
| 9 | 法人診療の開始日と決算月を、認可時期・繁忙期・納税時期から逆算して決めたか。初年度が10か月以上になるか | □ | □ |
| 10 | 社員総会・理事会・事業報告書の届出・役員任期管理を、誰がやるか決まっているか。院長の診療時間を削らない体制があるか | □ | □ |
持分なし医療法人で、法人化前に知っておくこと
- 新設は持分なしのみ。平成18年の医療法改正により、持分あり医療法人の新規設立は認められなくなりました(厚生労働省「『持分なし医療法人』への移行に関する手引書」令和8年3月改訂)
- 配当禁止・残余財産の帰属。法人の財産は院長個人のものではなく、解散時の残余財産は国・地方公共団体等に帰属します。家族に残す手段は役員報酬と退職金に限られます
- 相続税評価の問題がない。持分あり法人(平成19年3月以前設立)が抱える「持分の評価額が巨額になり相続税が払えない」「退社する出資者から払戻しを請求される」という問題は、最初から存在しません。国税庁は持分あり法人の相続について納税猶予の特例を設けて移行を促しています(タックスアンサーNo.4150)
- 譲渡の形が違う。株式の売買のような「持分の売却」ができないため、第三者への承継は理事・社員の交代という形になります
- 非営利性の規律。理事長の親族への不当な利益供与、MS法人との不適正な取引は、都道府県の指導や税務上の否認の対象になります
次の一歩|あなたの数字で、有利判定を出す
この資料の3パターンは、あくまでモデル計算です。自費率が30%の医院、配偶者が理事として勤務する医院、スタッフ10名で既に厚生年金に加入している医院、分院を2年後に出す医院——前提が1つ変わるだけで、結論は反転します。
当事務所には、歯科医院向けの個人・医療法人 有利判定シミュレーションシートがあります。直近の確定申告書(決算書付き)をお持ちいただければ、45分の無料相談で、あなたの所得・自費率・スタッフ数・家族構成・借入を入れた比較結果と、法人化するならいつが最適かの見立てまで、その場でお伝えします。
試算の結果、「今はしないほうがいい」とお伝えすることも普通にあります。法人化は、戻るのが大変な意思決定だからです。
お持ちいただくもの:直近の確定申告書(決算書付き)、借入の返済予定表、スタッフの人数と給与の概算。
オンラインでも対面でも対応しています。
お電話:06-7777-1762(平日9:00〜18:00)
LINE:https://line.me/R/ti/p/@325iobwg(ID:@325iobwg)
歯科医院の財務支援について:https://inada-tax.com/shika-zeirishi/
法人化のあとに続く意思決定
役員報酬と退職金の出口設計、法人に残す資金の使い道、分院の資金調達、銀行に見せる法人決算書の作り方、月次の資金繰り。法人化は手続きのゴールではなく、お金の意思決定が増える入口です。法人化のあとも財務全体を任せたい院長には、社外CFOとして毎月の経営会議に並走する Luxe Partners(https://luxe-partners.inada-tax.com/)をご案内しています。
監修
監修:稲田 光浩(いなだ みつひろ)/税理士(登録番号135413)
税理士業界19年・税理士登録8年目。東京プロマーケット上場準備企業の監査役、社会医療法人の監事を務め、複数社の経営会議に参画。クラウド会計(freee認定アドバイザー)と社外CFOサービスで、成長期の医院・中小企業を支援している。
稲田光浩税理士事務所
〒532-0011 大阪市淀川区西中島4-2-21 ミツフ新御堂筋ビル605(新大阪駅 徒歩圏)
TEL:06-7777-1762|Web:https://inada-tax.com
本資料の税率・控除額・保険料率は2026年8月時点の公表情報に基づくモデル計算であり、個別の税務判断を示すものではありません。実際の有利不利は医院ごとの数字により異なります。出典:厚生労働省医政局医療経営支援課「『持分なし医療法人』への移行に関する手引書」(令和8年3月改訂)/国税庁タックスアンサーNo.4150。
本資料の無断転載・複製を禁じます。© 稲田光浩税理士事務所
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