製造業・卸売業の税理士|大阪|2代目社長の”次のステージ”に数字で伴走する

いま出そうとしているその見積書に、今年の賃上げ分は載っているでしょうか。

材料は上がった。外注費も上がった。社員の給料は、上げたい。
それでも見積の単価だけは、先代の頃から変わっていない。

機械を入れ替えるべきか。
この値段で受け続けていいのか。
先代の借入と個人保証を、自分はいつ、どう引き取るのか。

現場が終わった夜、一人でこうした問いを抱えていないでしょうか。

製造業・卸売業の社長の仕事は、モノを作り、運ぶことだけではありません。設備投資、値決め、借入、承継、給与。どれも数千万円単位で会社の未来を左右する意思決定です。

それなのに、決算のときにしか会わない税理士に「社長、今年も何とか黒字ですね」と言われて終わる。
肝心の判断は、誰にも相談できないまま社長一人の肩に載っている。

私は税理士の稲田光浩です。税理士業界19年、事務所は大阪市淀川区(新大阪)にあります。現在、東京プロマーケット上場準備中の企業の監査役を務め、複数の会社の経営会議・取締役会に外部の立場で参加しています。

つまり、申告書を作る側だけでなく、会社のお金の使い方を審査する側、意思決定の場で「その投資は妥当か」を問う側にも立っている税理士です。

このページでは、私が製造業・卸売業の社長とどんな仕事をしているのかを、正直に書きます。合わない社長のことも、隠さず書きます。

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なぜ製造業・卸売業の経営判断は、これほど難しいのか?

結論から書きます。製造業・卸売業の経営判断が難しいのは、「薄い粗利」の上で「大きくて後戻りできない投資」を回しながら、「上がり続けるコスト」を価格に乗せる交渉を、社長が一人で背負っているからです。3つに分けて書きます。

理由①:コストは全部上がったのに、価格転嫁は「半分」しか通っていない

材料費、エネルギー、外注費、そして人件費。この数年で上がらなかったコストは、ほぼありません。

では、その上昇分は売価に乗せられているか。中小企業庁の価格交渉促進月間(2026年3月)フォローアップ調査によると、コスト上昇分のうち価格転嫁できた割合は平均54.2%。しかも、社員の給料の原資になる労務費の転嫁率は50.0%にとどまります。

上がったコストの半分は、自社で飲み込んでいる。
これが統計の示す平均像です。

そして私が経営会議の現場で見てきた限り、転嫁が通らない会社の多くは、交渉力の問題ではなく「いくら上がったのか」を自社の数字で示せていないことでつまずいています。根拠の数字がなければ、値上げの話は「お願い」になります。お願いは、断られます。

理由②:投資が大きく、外すと10年引きずる

機械1台、倉庫、トラック、システム。製造・卸の投資は一つひとつが高額で、据え付けたら簡単には引き返せません。

投資の判断を一度間違えると、稼がない設備の借入返済だけが残ります。
これは、経験上、間違いない。私は監査役として、また複数社の経営会議で、投資案件の議論に何度も立ち会ってきました。うまくいく投資と苦しむ投資の差は、機械の性能の差ではなく、「決める前に、回収と返済まで含めた数字を詰めたかどうか」の差です。

理由③:2代目社長は「先代の作った数字の構造」ごと会社を引き継ぐ

2代目社長には、創業社長にはない難しさがあります。売上も、取引先も、借入も、個人保証も、そして「昔から続く値決め」も、自分が作ったものではないまま引き継ぐことです。

面談でよく伺うのは、「先代の頃からの取引先に、値上げを言い出しにくい」「先代の借入と保証がどうなっているのか、実は全体像を把握できていない」という声です。

現場と経営で毎日が埋まり、数字を見る余白がない。
月次の試算表が2〜3ヶ月遅れで届く体制なら、なおさらです。判断の材料が、そもそも手元にない。

製造業・卸売業の社長に必要なのは「決算書を作る人」ではなく、「決める場面に数字を持って同席する人」です。

税理士が「意思決定に同席する」とは、どういうことか?

多くの税理士のサービスは、「税務申告+月次の試算表」までです。それ自体は悪くありません。ただ、試算表を渡されても、「で、機械を買うのか買わないのか」「値上げを言うのか言わないのか」を一緒に考えてくれる人はいない。私がやっているのは、その先です。

実際に同席する場面を、4つ書きます。

場面①:設備投資の判断——その機械は、何年で回収できるのか

「この機械、入れ替えどきだと思うんです」というご相談は、面談で最も多いテーマの一つです。

私が同席して確認するのは、機械のカタログでも見積書でもなく、まず回収の数字です。仮に3,000万円の設備で、生産性向上や外注の内製化によって年間600万円キャッシュフローが増えるなら、単純計算で回収は5年。借入の返済期間が7年なら、返済中もお金は回る計算になります。逆に回収が10年を超える投資は、「それでもやる理由」を別に用意する必要があります。

この試算を、補助金や税制(中小企業経営強化税制など。適用には要件と手続きの確認が必須です)まで含めて決める前に詰める。それが同席の仕事です。数字が支えない投資には、「やめましょう」と言います。

場面②:原価と値決め——社員の給料を上げる原資は、ここにしかない

社員の給料を上げたい。多くのまじめな社長がそう考えています。
その原資は、突き詰めれば粗利にしかありません。

仮に年商3億円の会社が、全体で1%の値上げを通せたとします。増える売上は300万円。原価が変わらなければ、これはほぼそのまま粗利の増加です。社員20名なら、一人当たり年15万円の昇給原資に相当する規模です。値決めは、給与の問題そのものです。

ただし、理由①で書いたとおり、根拠なき値上げ交渉は通りません。私が一緒にやるのは、製品別・得意先別に原価と粗利を分解し、「どのコストが、いつから、いくら上がったか」を取引先に示せる一枚の根拠資料に落とすことです。どんぶり勘定の会社ほど、実は「儲かっていない製品」「赤字の得意先」が数字を分けた瞬間に見えてきます。これは現場で何度も見てきました。

数字で売上を伸ばす、とはこういう地味な作業の積み重ねです。

場面③:銀行融資——設備資金と運転資金は、説明の仕方が違う

製造業・卸売業は、在庫と売掛金を常に抱えて商売をする業種です。売上が伸びるほど、入金より先に支払いが来る。つまり成長するほど運転資金が構造的に必要になる業種です。ここを銀行に説明できないまま「なんとなく足りないので貸してください」と言ってしまう社長が、実に多い。

私は、設備資金なら回収年数と返済年数の対応を、運転資金なら売掛・在庫・買掛の構造(経常運転資金)を、銀行の稟議がそのまま書ける形に整理して同席・同行します。銀行融資は”数字の審査”ではなく、”返済ストーリーの審査”です。決算書の良し悪し以上に、「なぜ借りるのか、どう返すのか」の筋が通っているかが見られています。

場面④:承継——株・借入・個人保証を「感情」と「数字」に分けて設計する

中小企業庁の中小企業実態基本調査(令和6年速報)によると、製造業の事業承継は58.1%が親族内承継。全業種平均(39.3%)より突出して高く、製造業は今も「親から子へ」の承継が主流の業種です。

だからこそ、承継の話は感情と数字が絡まります。株をいつ・いくらで動かすのか。先代名義の借入と個人保証をどう引き継ぐのか(経営者保証に関するガイドラインにより、要件を満たせば保証を外せる可能性があります)。先代への役員退職金をどう設計するのか。

これらは「いつ」「いくらで」「誰に」を、税務・融資・家族の三方向から同時に詰める必要がある領域です。答えを急がせず、しかし選択肢が減る前に、数字を並べて一緒に考えます。

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製造業に強い税理士は他にもいる。なぜ稲田なのか?

大阪には、私より歴史が長く、規模の大きい事務所がいくつもあります。検索すれば、顧問先数や創業年数を掲げた事務所が並びます。その前提で、私にしか書けないことを3つ書きます。

①「審査する側」に立っている——上場準備企業の監査役という立場

私は税理士業界19年、税理士登録は8年目です。そして現在、東京プロマーケット上場準備中の企業の監査役を務め、社会医療法人の監事として法人の業務と会計を監査し、複数の会社の経営会議・取締役会に外部の立場で継続的に参加しています。

顧問として数字を「作る」経験と、監査役として数字を「審査する」経験の両方を持つ税理士は、多くありません。銀行の稟議で何が問われるか、取締役会で投資案件がなぜ差し戻されるかを知った上で、社長の判断に同席できます。

②AIを使った月次体制——数字が「翌月に」出てくる

意思決定に数字を間に合わせるには、月次の速さが生命線です。

私の事務所では、クラウド会計(freee)とAIを組み合わせた記帳・月次チェックの自動化を自前で構築し、実際の顧問業務で運用しています。「試算表が3ヶ月遅れ」の状態を、「翌月に部門別・製品群別の数字が見える」状態に変えていきます。

数字が速いから、判断が速い。それだけの話ですが、ここまで実装している事務所は体感では少数です。そして数字を整える目的は、社長を数字仕事から解放し、社長の脳の余白を値決めや採用といった「社長にしかできない判断」に使ってもらうことにあります。

③2代目社長と同じ目線——私も「継いだ側」の議論を日常的にしている

私は43歳です。顧問先や経営会議で向き合うのは、ちょうど世代交代期にある会社が多く、先代と2代目の間に立つ議論——古い値決めを変える、先代の借入を整理する、番頭さんとの関係を再設計する——に日常的に関わっています。

大御所の先生に遠慮しながら話すのではなく、同世代の外部役員として率直に議論できる距離感。これは、2代目社長にとって実務上の価値だと考えています。

相談から伴走まで、どう進むのか?

流れはシンプルです。3ステップで書きます。

ステップ1|無料相談(45分・オンライン可)
いま考えている判断(設備投資・値決め・融資・承継など)を伺います。この段階で費用は発生しません。売り込みもしません。

ステップ2|決算書2期分の診断
決算書2期分をお預かりし、粗利の推移・借入と返済のバランス・運転資金の構造・人件費率の観点から、会社の現在地と論点を整理してお返しします。「今の顧問税理士のままでいい」という結論になることもあります。その場合は、そのままお伝えします。

ステップ3|月次伴走
顧問契約後は、月次で数字を固めた上で、意思決定のテーマ(設備投資・値決め・融資・承継・給与)ごとに検討の場を持ちます。決算・申告はその土台として当然に行います。

正直に書きます。合わない社長もいます

お互いの時間を無駄にしないために、先に書いておきます。

❌ 私がお役に立てない社長

  • 記帳と申告だけを、できるだけ安く済ませたい社長。その目的なら、格安の記帳代行のほうが合理的です。私の報酬は意思決定への関与を含む前提で設計されており、申告だけの比較では割高になります。
  • 細かい節税テクニックを主目的にする社長。私が提供するのは、成長と承継に向けた数字の土台であり、節税の裏ワザ集ではありません。
  • 数字を見る時間を月1時間も取れない・取る気がない社長。同席型の伴走は、社長ご本人が判断の主役であることが前提です。

❌ やってはいけない意思決定の典型

値上げの根拠資料を持たずに、取引先との価格交渉の席に着くこと。「材料が上がって苦しいので」という説明は、先方の購買担当にとって値下げ拒否の稟議が書けない”お願い”にすぎません。原価の内訳と上昇率を一枚で示せるかどうかで、交渉は席に着く前に決まっています。経営会議で価格交渉の報告を聞いていて、通る会社と通らない会社の差は、ほぼここです。

よくあるご質問(FAQ)

Q1. いま顧問税理士がいます。乗り換えは大ごとになりませんか?

大ごとにはなりません。切り替えは決算のタイミングに合わせるのが一般的で、必要な引き継ぎ資料(申告書控え・総勘定元帳・届出書控えなど)はリスト化してご案内します。先代からの付き合いの税理士に言い出しにくい、というお声もよく伺いますが、事務的な通知で完結するのが通常です。まずは今の顧問を変えない前提のセカンドオピニオンとしてのご相談でも構いません。

Q2. 原価計算をやったことがなく、どんぶり勘定です。それでも大丈夫ですか?

大丈夫です。むしろその状態からのご相談が大半です。最初から精密な個別原価計算を目指す必要はなく、まずは製品群別・得意先別に粗利をざっくり分けるところから始めます。それだけでも「儲かっている仕事」と「実は赤字の仕事」が見え、値決めと断る判断の材料になります。精度は運用しながら上げていけば十分です。

Q3. 大阪以外・遠方の会社でも対応できますか?

できます。事務所は大阪市淀川区(新大阪・西中島)ですが、月次のやり取りはクラウド会計とオンライン面談で完結するため、全国対応しています。銀行同行など現地が必要な場面は、都度ご相談の上で設計します。

Q4. 料金の目安は、どう考えればいいですか?

報酬は「記帳・申告」の作業量ではなく、意思決定への関与範囲(月次面談の頻度・設備投資や承継などのプロジェクトの有無)で決まります。そのため一律の料金表ではなく、初回相談で必要な範囲をすり合わせた上で、契約前に金額を明示してお見積りします。申告だけを安く、という比較では割高になる一方、経営コンサルタントと税理士を別々に契約するより一本化できる分、合理的になるケースが多いです。

Q5. どのタイミングで相談するのがいいですか?

「決める1〜2年前」が理想です。設備投資なら見積を取り始める前、承継なら株や保証の話が具体化する前、値上げ交渉なら次の期の原価が固まる前。選択肢は時間とともに減っていくので、迷っている段階こそ相談の適期です。もちろん、すでに動き出している案件のセカンドオピニオンも受けています。

まとめ|現場の1時間より、意思決定の1時間を

コスト上昇分の価格転嫁は平均54.2%、労務費に限れば50.0%。統計が示すのは、何もしなければ、上がったコストの半分を自社が飲み込み、社員の給料の原資が削られていくという現実です。

この環境で会社を次のステージに進められるかどうかは、腕や品質だけではなく、設備投資・値決め・融資・承継という少数の大きな意思決定の質で決まります。

その意思決定に、数字を持って同席する。
それが私の仕事です。

今日できる小さな行動を一つだけ。直近2期分の決算書を開いて、粗利率(売上総利益÷売上高)を前年と見比べてみてください。粗利率が下がっていれば、コスト上昇を転嫁できていないサインです。数字の見方が分からなければ、それ自体が相談のサインです。

このまま、先代の値決めのままで、上がるコストを飲み込み続けるのか。
それとも、次の判断から隣に外部の目を置くのか。

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このページを書いた人

稲田光浩(いなだ みつひろ)

税理士/稲田光浩税理士事務所 代表
税理士業界19年・freee認定アドバイザー・認定経営革新等支援機関

  • 顧問先:成長期の中小企業・スタートアップ・医療歯科・飲食等
  • 監査役:東京プロマーケット 上場準備中の企業 1社
  • 監事:社会医療法人 1法人
  • 経営会議・取締役会への参加経験:複数社
  • プロジェクト型支援領域:設備投資・運転資金の資金調達伴走/原価・値決めの根拠づくり/事業承継の検討支援/経営ダッシュボード設計/経理業務フロー改善/AI活用設計

〒532-0011 大阪市淀川区西中島4-2-21 ミツフ新御堂筋ビル605

▶ 稲田が経営者に伝えたいこと(仕事への想い)を読む

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