設備投資や工場のライン更新を控えていて、「経営力向上計画って、うちも出しておいた方がいいのかな」と、頭の片隅で気になっていないでしょうか。
顧問税理士に聞いても「まあ、出しておいて損はないですよ」くらいの返事しか返ってこない。
ネットで調べると、メリットが箇条書きで並んでいるけれど、自社の何が、いくら変わるのかがピンとこない。
そのまま、また先送りになっている。
結論から書きます。年商5億を超えて、これから数千万円単位の設備投資や、事業承継・M&Aを考えている会社にとって、経営力向上計画は「出しておいて損はない」どころか、出さないと数百万円単位で損をしかねない制度です。
私は大阪で年商1〜10億の成長企業に伴走している税理士で、認定経営革新等支援機関として、経営力向上計画の認定申請を実務で数多く支援してきました。計画を作り、設備を即時償却に乗せ、その計画を武器に銀行融資や補助金の審査を通してきた——いわば「申請書を書いて、通してきた側」の人間です。
だからこそ、正直に書けることがあります。
どのメリットが本当に効いて、どれは看板倒れなのか。
多くの解説記事が平気で間違えている「固定資産税の落とし穴」とは何なのか。
そして、どんな会社は「今は作らなくていい」のか。
この記事では、経営力向上計画のメリットを、2026年(令和8年)7月時点の最新の適用期限つきで、現場の目線から棚卸しします。数字が苦手でも、読み終わる頃には「うちは出すべきか」の判断がつくように書きます。
設備投資や事業承継を控えているなら
御社の投資計画で経営力向上計画がいくら効くのか、そもそも今作るべきか——45分の無料相談で、営業抜きで整理します。認定支援機関として申請の実務まで対応します。
Webで無料相談する →
電話:06-7777-1762
LINEで相談 →
大阪市淀川区・オンライン全国対応/強引な勧誘はありません
そもそも経営力向上計画とは何で、なぜ「二代目こそ」使うべきなのか?
経営力向上計画とは、中小企業等経営強化法にもとづいて、自社の経営力を高めるための取り組みをA4数枚にまとめ、国(事業を所管する省庁)の認定を受ける計画のことです。認定されると、税制・金融・法的支援など、複数のメリットがまとめて使えるようになります。
難しく聞こえますが、中身は身構えるほどではありません。
現状の課題、伸ばしたい指標、そのための設備投資や人材育成——この程度を、決められた様式に沿って書くだけです。認定支援機関のサポートを受ければ、申請書自体は数ページで収まります。
ではなぜ、私はこの記事を「二代目こそ使ってほしい」という目線で書いているのか。理由は二つあります。
一つは、二代目が経営を引き継ぐタイミングは、たいてい設備の更新期と重なるからです。先代が入れた機械が寿命を迎え、ラインを新しくしないと競争力が保てない。年商5億を超える製造業・卸売業なら、その投資は数千万円規模になります。ここに経営力向上計画をかませるかどうかで、初年度の税負担が大きく変わります。
もう一つは、二代目の代でこそ事業承継やM&Aが現実の論点になるからです。同業を買って規模を広げる。取引先から「うちを引き継いでくれないか」と相談される。こうした場面で、経営力向上計画は税制優遇の「入場券」になります。後半で詳しく書きます。
言葉を選ばずに書きます。この制度は、守りに入った会社のためのものではありません。投資して、伸ばして、次の代につなぐ——前に進もうとしている会社ほど、恩恵が大きい制度です。だから二代目の社長に、まず知っておいてほしいのです。
経営力向上計画は「攻めの投資」をする会社ほど得をする制度。二代目の設備更新・事業承継期と、恩恵が一番大きい時期がぴたりと重なります。
最大のメリット、設備投資の即時償却・税額控除はどこまで効くのか?
いちばん効くところから話します。経営力向上計画の数あるメリットのなかで、金額インパクトが最大なのは中小企業経営強化税制です。認定計画にもとづいて対象設備を取得すると、取得価額の全額をその年に経費にする「即時償却」か、取得価額の10%(資本金3,000万円超の法人は7%)を法人税から差し引く「税額控除」のどちらかを選べます。(この即時償却・10%/7%控除は機械装置などA・B・D類型の話で、E類型の建物等は特別償却15%等の別扱いです。詳しくは後述します。)
専門用語なので、いったん噛み砕きます。
即時償却とは、本来なら何年もかけて少しずつ経費にする設備を、買った年に全額まとめて経費にできる仕組みです。今期たまたま利益が大きく出ている会社が使うと、その年の税金を大きく後ろへずらせます。あくまで「繰り延べ」で、トータルの税額が消えるわけではありませんが、手元資金を厚くしたい局面では強力です。
税額控除は、計算した法人税そのものから7〜10%を直接差し引きます。こちらは繰り延べではなく、納税額が正味で減るのが違いです。毎年安定して利益が出ていて、長い目で総額を減らしたい会社に向いています。
制度説明としてモデルケースで置くと、2,000万円の生産設備を入れた場合、税額控除(10%)ならおおむね200万円が法人税から引かれる計算になります(ただし税額控除はその期の法人税額の20%が上限で、引ききれない分は翌期に繰り越せます)。即時償却なら、初年度に2,000万円を丸ごと経費計上できる。どちらがよいかは、その年の利益の出方と数年先の見通しで変わります。ここは決算全体を見て決める論点です。
対象になる設備は?——A・B・D・E類型で入口が違う
すべての設備が対象になるわけではありません。対象は「特定経営力向上設備等」と呼ばれ、2026年時点で次の4類型に整理されています。
- A類型(生産性向上設備)——旧モデルより生産性が平均1%以上向上する新しい設備。工業会等の証明書を取る、比較的スピーディなルートです。
- B類型(収益力強化設備)——投資利益率が年平均7%以上になる投資計画に係る設備。経済産業局の確認が必要で、手間はかかりますが対象が広い。
- D類型(経営資源集約化設備)——M&A(事業承継等)を機に導入し、修正ROAなどの指標向上に資する設備。
- E類型(経営規模拡大設備)——令和7年(2025年)4月新設。中堅企業への成長を目指す一定規模以上の中小企業が、経営規模の拡大に資する設備(建物を含む)を導入する場合の類型です。ただしE類型の建物・建物附属設備は、A〜D類型の即時償却や10%/7%税額控除の対象ではなく、特別償却15%(一定の特定建物等は25%)または税額控除1%(同2%)が適用されます。対象・要件の詳細は最新の公表資料でご確認ください。
ここで一つ注意です。かつて存在したC類型(デジタル化設備)は、令和7年4月に廃止されました。古い解説記事や、古い知識のままの担当者は今もC類型を案内してくることがあります。ネットの情報をうのみにせず、今どの類型が生きているかは必ず最新で確認してください。
いつまでに取得すればいいのか?——期限は「令和9年3月末」
最も大事な数字です。この中小企業経営強化税制の適用期限は、令和9年(2027年)3月31日までに取得し、事業に使い始めた設備までです(令和7年度税制改正で、それまでの期限が2年延長されました。出典:国税庁タックスアンサーNo.5434、中小企業庁「経営力向上計画」)。
ここは楽観しない方がいい。この手の税制優遇は、これまで何度も「延長」と「失効」を繰り返してきました。今回も令和9年3月末で切れるのか、また延長されるのかは、その時々の税制改正で決まります。だから「まだ先だから大丈夫」と構えず、投資を決めたら早めに動くのが鉄則です。私が現場で見てきたなかでも、期限ギリギリで慌てて申請が間に合わなかった、という相談は本当に多い。
しかも認定には落とし穴があります。原則として、設備を取得する前に計画の認定を受けておく必要があります。「もう機械を買ってしまった、あとから計画を出したい」——これが一番間に合わないパターンです(一部、取得後60日以内の申請受理などの例外的な運用はありますが、要件が細かく、頼り切るのは危険です)。順番を間違えると、せっかくの数百万円の優遇が丸ごと消えます。
❌ ここで多くの社長が失敗するパターン
設備を先に発注・取得してから、あとで経営力向上計画を出そうとすること。
この税制は「計画の認定 → 設備の取得」の順番が原則です。順番が逆になると、原則として即時償却も税額控除も使えません。工作機械や生産ラインは発注から納品まで時間がかかります。「入れたい設備がある」と思った瞬間に、認定支援機関へ相談してスケジュールを逆算する——これが数百万円を取りこぼさないための唯一のコツです。
その設備投資、即時償却と税額控除どちらが得ですか?
今期の利益の出方と数年先の見通しから、御社にとって有利な選び方をその場で整理します。取得のスケジュールが間に合うかの逆算もお任せください。
「固定資産税が半分」は本当か?——多くの記事が間違えている落とし穴
先に答えを言います。「経営力向上計画を出すと固定資産税が半額になる」と説明している記事やサイトは、今は正確ではありません。これは制度が組み替わったのに、情報が古いまま残っているためです。ここは、私が現場で一番「危ないな」と感じている混同です。
かつて、設備の固定資産税(償却資産税)を軽減する特例は、経営力向上計画のメリットの一つでした。ところが制度改正でこの機能は切り出され、今は「先端設備等導入計画」という別の計画に移りました。名前がよく似ていて、根っこの法律(中小企業等経営強化法)も同じなので、専門家でも取り違えます。
整理します。
- 経営力向上計画(国の認定)——中小企業経営強化税制の即時償却・税額控除、金融支援、事業承継・M&Aの優遇などが柱。固定資産税の特例は、今はここには含まれません。
- 先端設備等導入計画(市区町村の認定)——こちらが固定資産税(償却資産税)の軽減を担う計画です。市区町村が対象地域として定めていることが前提で、賃上げの表明とセットで、課税標準が3年間2分の1、または最大5年間4分の1に軽減されます(出典:中小企業庁「先端設備等導入制度による支援」)。
つまり、固定資産税まで軽くしたいなら、経営力向上計画とは別に、先端設備等導入計画を自社の市区町村へ出す必要があるということです。両方を組み合わせられる設備投資もあります。逆に言えば、「経営力向上計画だけ出して固定資産税も安くなるはず」と思い込んでいると、狙った軽減が受けられません。
これは、経験上、間違いなく取りこぼしの起きやすいポイントです。どのメリットが、どの計画にぶら下がっているのか。ここを整理せずに申請すると、片方の特例を丸ごと逃します。設備投資の税メリットを最大化したいなら、二つの計画を最初から一緒に設計するのが正解です。
設備投資そのものの意思決定を誰に相談すべきか迷っている方は、設備投資の判断、誰に相談すべきかもあわせてご覧ください。
融資・補助金の審査で、経営力向上計画はどう効くのか?
端的に言うと、経営力向上計画は、税金だけの話ではありません。銀行融資と補助金の審査でも、地味に、しかし確実に効きます。申請書を書いて審査を通してきた側として、ここは実感を持って言えます。
金融支援——低利融資と信用保証の「別枠」
認定を受けると、政策金融の面でいくつかの後押しが使えます。代表的なのは、日本政策金融公庫による低利融資です。計画の実行に必要な設備資金について、基準利率から一定幅の引き下げが受けられる仕組みがあります(引き下げ幅や条件は融資制度・時期により異なります。実行前に公庫でご確認ください)。
もう一つが信用保証協会の「別枠」です。通常の保証枠とは別に、追加の保証枠が用意されます。ふだんの枠を使い切りかけている会社にとって、この別枠は資金調達の幅を広げる意味があります。
ただし、正直に付け加えます。これらの金融支援は「認定さえあれば自動で借りられる」ものではありません。最後に見られるのは、結局その会社の返済力と事業計画の説得力です。銀行融資は”数字の審査”ではなく”返済ストーリーの審査”で、経営力向上計画はそのストーリーを補強する材料の一つ、という位置づけで捉えるのが現実的です。融資の全体像は銀行融資完全攻略で整理しています。
補助金の加点——ものづくり補助金などで効く
もう一つ、見落とされがちですが実務で効くのが補助金審査での加点です。ものづくり補助金をはじめとする各種補助金では、経営力向上計画の認定が加点要素として扱われる回があります。
補助金は採択されるか否かが数点の差で分かれる世界です。加点が一つあるかないかで、通る・通らないが変わることは珍しくありません。「設備投資で補助金も狙いたい」なら、経営力向上計画は単なる節税ツールではなく、採択率を押し上げる一手にもなります。補助金の採択率の実態は、小規模事業者持続化補助金とは?採択率の推移でも触れています。
加点になる補助金・回・条件はそのつど変わります。「今、狙っている補助金で加点対象になっているか」は、申請前に必ず公募要領で確認してください。
ちなみに、資金繰りの改善に軸足を置いた計画づくりを支援する早期経営改善計画という別の枠組みもあります。「まず足元の資金繰りを立て直したい」という会社は、早期経営改善計画の方が入口として合うこともあります。目的で使い分けるのが賢いやり方です。
事業承継・M&Aで効く、二代目のためのメリットとは?
要点はこうです。二代目の代でこそ本領を発揮するのが、事業承継・M&A(法律上は「事業承継等」)に関する優遇です。ここは、これから同業を買って規模を広げたい会社、あるいは取引先の引き継ぎを打診されている会社に、直接効いてきます。
法的支援——許認可の承継・手続きの簡素化
経営力向上計画に事業承継等の内容を盛り込んで認定を受けると、いくつかの法的な後押しが使えます。たとえば、事業を引き継ぐ際に許認可を承継しやすくする特例や、組合を作るときの発起人数の特例、事業譲渡に伴う手続きの簡素化などです。
製造業・卸売業では、許認可が事業の生命線になっている会社が少なくありません。M&Aで会社や事業を引き継いだのに、許認可を取り直すのに時間がかかって現場が止まる——これは実際に起こります。法的支援は、こうした承継の「詰まり」を減らす役割を持っています。
M&A投資損失準備金——買収リスクに備えながら税負担も抑える
金額面で二代目に一番効く可能性があるのが、中小企業事業再編投資損失準備金(中堅・中小グループ化税制)です。これは、M&Aで他社の株式を取得したときに、将来の「買収したはいいが期待外れだった」というリスクに備えて、取得価額の一定割合を準備金として積み立て、その分を損金に算入できる制度です。
噛み砕くと、株式を買った年に、その買収額の一部をあらかじめ経費として落とせる、ということです。将来の減損リスクへの備えと、当年の税負担の軽減を同時にできる。M&Aを実行する会社にとっては、キャッシュを守る意味が大きい制度です。
そして、ここが本題です。この準備金を使うには、事業承継等事前調査(買収先のデューデリジェンス)の内容を記載した経営力向上計画の認定が前提になります。つまり、M&Aの税優遇を取りにいくなら、経営力向上計画は避けて通れません。
制度の骨格を2026年時点で押さえておくと、株式取得によるM&A(取得価額10億円以下が対象)で、取得価額の70%を準備金として積み立てられます。さらに、産業競争力強化法の特別事業再編計画の認定を受けた大型の連続M&Aでは、1回目90%・2回目以降100%まで引き上げられる拡充枠もあります。適用期限は令和9年(2027年)3月31日までの認定が一つの区切りです(出典:中小企業庁「中小企業事業再編投資損失準備金」)。
この準備金の仕組み・積立と取り崩しの流れ・注意点は、M&A投資損失準備金で詳しく掘り下げています。M&Aを具体的に検討している方は、必ず経営力向上計画とセットで読んでください。
「数字で、売上を伸ばす」。私が掲げているこの言葉は、税制や制度を守りの節税で終わらせず、社長の攻めの意思決定につなげるという意味です。経営力向上計画も同じで、設備投資・資金調達・M&Aという「攻めの一手」を後押しするために使ってこそ、本当の価値が出ます。
デメリットと「今は作らなくていい会社」は?
ここまでメリットを並べてきましたが、正直に書きます。経営力向上計画は万能ではありませんし、全社が今すぐ作るべきものでもありません。きれいごとだけ並べても社長の判断の役には立たないので、デメリットと「向かない会社」もはっきり書きます。
デメリット①:認定は「入口」でしかなく、事務作業がついて回る
計画を認定してもらえば終わり、ではありません。税制優遇を実際に受けるには、確定申告で別表への記載や証明書の添付が必要ですし、設備の類型ごとに工業会や経済産業局の手続きが挟まります。認定を取っただけで満足して、肝心の申告で漏らす——これが一番もったいない。認定支援機関を使うのは、この最後の詰めまで走り切るためでもあります。
デメリット②:投資も承継もない会社には、メリットが薄い
この記事で挙げたメリットは、設備投資・資金調達・M&Aという「動き」があって初めて効きます。当面そうした予定がない会社が、とりあえず計画だけ出しても、手元に残るのは、使いみちのない認定書一枚です。「持っておけば安心」という理由だけで作る必要はありません。
今は作らなくていい会社
- 向こう1〜2年、大きな設備投資も承継・M&Aの予定もない会社
- 足元の資金繰りが苦しく、まず月次の立て直しが先の会社(この場合は早期経営改善計画が入口として合います)
- 赤字続きで、そもそも税額控除・即時償却の効果が乗る利益が出ていない会社
逆に言えば、数千万円の設備投資を控えている/同業のM&Aを検討している/補助金にも挑戦したい——このどれか一つでも当てはまるなら、作らない理由はほとんどありません。自社がどちらなのかを、投資計画と数字を見ながら一度きちんと切り分けること。そこがスタートです。経営計画づくり全体の考え方は中小企業の経営計画の作り方も参考になります。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 経営力向上計画の申請は、自社だけでもできますか?
できます。様式自体は数ページで、中小企業庁のサイトに記載例も公開されています。ただし、設備の類型選び、取得スケジュールの逆算、確定申告での適用漏れの防止まで含めると、認定経営革新等支援機関のサポートを受けた方が、取りこぼしのリスクは下がります。特に設備取得の順番を間違えると優遇が丸ごと消えるため、初めての方は相談をおすすめします。
Q2. 認定までどのくらい時間がかかりますか?
計画の内容や所管省庁にもよりますが、標準的な処理期間は申請受理からおおむね30日程度が一つの目安とされています。ただし設備の取得より前に認定を終えておく必要があるため、逆算すると、投資を決めたらできるだけ早く動き出すのが安全です。余裕を持って2〜3か月前から準備するイメージで考えてください。
Q3. 「固定資産税が安くなる」と聞きましたが、経営力向上計画で受けられますか?
2026年時点では、固定資産税(償却資産税)の軽減は経営力向上計画ではなく「先端設備等導入計画」という別の計画のメリットです。名前が似ていて混同されがちですが、後者は市区町村の認定で、賃上げの表明とセットで課税標準が3年間2分の1などに軽減されます。固定資産税まで軽くしたい場合は、両方の計画を組み合わせて設計するのが有効です。
Q4. 中小企業経営強化税制の適用期限はいつまでですか?
2026年(令和8年)7月時点では、令和9年(2027年)3月31日までに取得し事業に使い始めた設備が対象です。令和7年度税制改正で2年延長されました。ただしこの種の優遇は改正で延長・失効を繰り返すため、実行時点の最新情報を必ず国税庁・中小企業庁でご確認ください。
Q5. M&Aを考えています。経営力向上計画は関係しますか?
大いに関係します。M&Aで株式を取得した際の中小企業事業再編投資損失準備金(買収額の一定割合を損金算入できる制度)は、事業承継等事前調査を記載した経営力向上計画の認定が前提です。M&Aの税優遇を取りにいくなら、計画とセットで設計する必要があります。
Q6. 大阪以外の会社ですが、申請支援は依頼できますか?
できます。当事務所は大阪市淀川区を拠点にしていますが、計画づくりの打ち合わせも申請サポートもオンラインで完結できるため、全国どこの会社でも対応しています。設備投資やM&Aのスケジュールに合わせて逆算で支援します。
まとめ|経営力向上計画は「紙切れ」か「武器」かは使い方で決まる
最後に、この記事の要点を整理します。
- 最大の効果は設備投資——中小企業経営強化税制で、即時償却か取得価額7〜10%の税額控除を選べる。期限は令和9年3月末が一つの区切り(2026年時点)
- 順番が命——原則「計画の認定 → 設備の取得」。逆になると優遇は消える
- 固定資産税は別の計画——軽減を受けたいなら先端設備等導入計画を市区町村へ。混同すると取りこぼす
- 審査でも効く——公庫の低利融資・信用保証の別枠・補助金の加点
- 二代目の武器——事業承継の法的支援、M&A投資損失準備金の前提になる
- 向かない会社もある——投資も承継も当面ない会社には、メリットは薄い
経営力向上計画は、作り方と使い方を間違えれば、金庫に眠る一枚の認定書で終わります。逆に、投資や承継のスケジュールに合わせて設計すれば、数百万円単位でキャッシュを守り、審査を有利に運ぶ武器になります。その差を分けるのは、制度の存在を知っているかどうかではなく、自社の数字と計画に落とし込めるかどうかです。私は現場で、その両方を見てきました。
この記事を閉じたあと、次の設備投資でまた満額の税金を払うのか。それとも、計画をかませてその一部を手元に残し、次の一手に回すのか。
分かれ道は、投資を決める前の今、動くかどうかにあります。
その投資、経営力向上計画で間に合わせませんか
認定経営革新等支援機関として、計画の作成から認定申請、確定申告での適用まで一気通貫で支援します。45分の無料相談で、御社の投資・承継計画にいくら効くのかを、営業抜きで試算します。直近の決算書があれば、その場で有利な選び方も解説します。
Webで無料相談する →
電話:06-7777-1762
LINEで相談 →
大阪市淀川区・オンライン全国対応/強引な勧誘はありません
💡 設備投資も承継も、財務戦略として設計するなら
Luxe Partners|年商1〜10億の成長企業向け 財務伴走パートナー
経営力向上計画は、単発の申請で終わらせるより、設備投資・資金調達・事業承継を貫く財務戦略の一部として設計した方が効きます。税理士業務の枠を超えて、計画づくりから銀行交渉・M&Aまで一気通貫で伴走するのが Luxe Partners です。
この記事を書いた人
稲田光浩(いなだ みつひろ)
税理士/認定経営革新等支援機関/稲田光浩税理士事務所 代表
年商1〜10億の成長企業オーナー専門・freee認定アドバイザー
- 顧問先:成長期の中小企業・スタートアップ・医療歯科・飲食等
- 認定経営革新等支援機関として、経営力向上計画・各種計画の認定申請を実務支援
- 設備投資の税務設計・資金調達伴走・補助金申請支援の実績あり
- プロジェクト型支援領域:経営ダッシュボード設計・構築/経営計画策定/資金調達伴走/経理業務フロー改善/AI活用設計
〒532-0011 大阪市淀川区西中島4-2-21 ミツフ新御堂筋ビル605
経営力向上計画とセットで読みたい
経営力向上計画は、設備投資・資金調達・事業承継という「攻めの一手」と組み合わせて初めて効きます。目的別に、あわせて読んでください。
- 早期経営改善計画|まず足元の資金繰りを立て直したい会社の入口
- M&A投資損失準備金|経営力向上計画を前提とした買収リスクへの備え
- 設備投資の判断、誰に相談すべきか
- 小規模事業者持続化補助金とは?採択率の推移と変更点
あわせて読みたい
なお、制度の一次情報は中小企業庁「経営力向上支援」、税制の詳細は国税庁タックスアンサーNo.5434で必ず最新をご確認ください。



